1993 Fiscal Year Annual Research Report
好熱菌のシャペロン遺伝子単離と有用タンパク質大量発現改善への応用
Project/Area Number |
05760078
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
渡部 邦彦 京都府立大学, 農学部, 講師 (90184001)
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Keywords | シャペロン / シャペロニン / 好熱菌 / ペプチジルプロリルシストランスイソメラーゼ |
Research Abstract |
好熱菌のシャペロン遺伝子のうち、タンパク質のfolding促進作用を持つgroELとgroESの遺伝子シャペロニンに焦点を絞り、遺伝子の単離を行った。好熱菌として、Bacillus thermoglucosidasius KP1006とBacillusflavocaldarius KP1228を選んだ。設備備品費で購入した遺伝子増幅装置を用い、PCRスクリーニングによる本遺伝子の単離を試みた。用いたプライマーは、シャペロニンの保存領域として注目されるBacillus subtilisとEscherichia coliのGroELのC-末端付近、C-末端上流500-base付近、及びC-末端上流200-base付近に相補するそれぞれ24-、32-、26-baseの長さを使用し、予測されるPCR生産物の長さは、約500-base、1500-baseの2つだった。2つの菌株より染色体DNAを単離し、これを鋳型にPCRを行った結果、B.thermoglucosidasius KP1006株のものから、予測に合致する長さのDNAを確認することができた。そこで本菌の染色体から、制限酵素HindIII消化してライブラリーを作製し、250クローンを無作意に選び、PCRによるスクリーニングを行った。1株だけが2つのPCR産物を作り出す配列を有することが判った。このクローンのプラスミドは、6.4kbのインサートDNAを有していた。引き続き、PCRスクリーニングを指標に、サブクローニングを行った結果、3.1-kbの長さにまで縮めることができた。C-末端より24-baseのプライマーを使用して、塩基配列を調べたところ、200-base程の領域について大腸菌、枯草菌と60%以上の相同性を有することが判った。現在、本遺伝子の全塩基配列の決定、遺伝子産物の同定を行っているところである。また、ペプチジルプロリルシストランスイソメラーゼのスクリーニングを、熱川、峰温泉から単離した研究室保存菌株を用いて行ったところ、98株より4株を選別することができた。これらの菌株についての検討も続行しているところである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Kizaki et al.: "Polypeptide folding of Bacillus cereus ATCC7064 oligo-1,6-gluco-sidase revealed by 3.0 A resolution X-ray an alysis. 21GC01:Jouranal of Biochemistry" 113. 646-649 19GA02:H.Nishimura et al. (1993)
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[Publications] "Sequencing and expression of TH-13 gene coding a positive regulatory factor with thiamine pyrophophate-binding motif." Journal of Bacteriology. (in press).