1993 Fiscal Year Annual Research Report
褐藻植物ヒバマタ由来市販フコイダンの抗血液凝固活性多糖の検索ならびにその構造解析
Project/Area Number |
05760167
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
西野 貴司 北里大学, 衛生学部, 助手 (50180625)
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Keywords | 硫酸化フカン / フコイダン / 抗血液凝固活性 / 構造 |
Research Abstract |
市販フコイダン(シグマ社,褐藻Fucus vesiculosus)をSepharose4BおよびCL-6Bカラムを用いたゲルろ過,さらにECTEOLA-celluloseカラムを用いた陰イオン交換クロマトグラフィーにより18画分に分画した。得られた各画分の構成成分分析をしたところ,3つのグループに分類された。即ち,高硫酸基、低ウロン酸含量で,L-フコースを主構成糖とし,それ以外の中性糖をほとんど含まない真性フコイダン(主成分),低硫酸基,ウロン酸含有が高く,フコース以外にD-キシロースおよびD-マンノースを比較的多く含むヘテロ多糖様の硫酸化フカン(少量成分),また他の画分よりもマンノースを多く含み、アミノ糖および少量のタンパク質を含む硫酸化フカン(少量成分)が得られた。さらに,真性フコイダンおよびヘテロ多糖様硫酸化フカンには平均分子量および硫酸基含量の異なる成分に細分化される。アミノ糖を含むプロテオグリカン様硫酸化多糖は本研究により初めて見いだされ,今後の研究により海藻多糖の新しい知見が期待できる。 抗血液凝固活性については,内因系凝固機構を反映するAPTT法および凝固第III相を反映するTT法により調べた。両方法において真性フコイダンに抗血液凝固活性が見られたが,ヘテロ多糖様硫酸化フカンおよびアミノ糖含有硫酸化多糖にはほとんどあるいは全く見られなかった。この結果より,市販フコイダン中の抗血液凝固活性多糖は真性フコイダンであることが認められた。 褐藻F.vesiculosusから得られたフコイダンの構造はalpha(1→2)結合フコースを主鎖とすることが知られている。しかし,今年度,その主鎖構造はalpha(1→3)結合フコースであることが報告され,その構造については確立されておらず早急な構造解析が望まれている。私は現在,引き続き市販フコイダンから精製した抗血液凝固活性多糖である真性フコイダンの構造解析をしている。
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Research Products
(1 results)