1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05760187
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西村 伸一 岡山大学, 農学部, 助手 (30198501)
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Keywords | 一次圧蜜 / 二次圧蜜 / 軟弱地盤 / 逆解析 / 沈下予測 / 有限要素法 |
Research Abstract |
1.三笠の圧密理論,Barronの近似理論,有限要素法による圧密解析手法に最小自乗法を適用した圧密逆解析プログラムを開発した。最小自乗法では,非線型計画法の一手法であるGauss-Newton法,修正Marquardt法を用いた。ここで,圧密解析においては一次圧密のみならず,二次圧蜜を考慮できるようにした。また,圧蜜過程において生じる地盤に働く浮力の効果を考慮できるようにした。 2.原位置において得られている沈下板,層別沈下計による沈下計測値に関して検討を行った。各計測値は計測開始時期が異なるため,特に今回は計測の初期値の取り扱いに留意した。 3.開発した手法を原位置の計測データに関して適用した。解析対象地盤のとしては二次元的な沈下を生じている部分と一次元的な沈下を生じている部分を選んだ。今回特に主眼においた考慮点は次の3点である。 (1)どのくらいの観測期間を設けたら近い将来(圧蜜度90〜100%程度の時点)の沈下予測が行えるか。 (2)同定されたパラメータを近隣構造物の沈下予測に適用できるか。 (3)長期の残留沈下を支配する二次圧蜜に関するパラメータが決定できるか。 これに関して次の結論を得た。(1)に関して,一次元的な沈下に対しても,二次元的な沈下に対しても,本解析対象地盤に関しては盛土施工後100日程度(圧蜜度60〜70%程度)の観測期間で,同定されたパラメータの値は一定になる。(2)に関して,近隣構造物の荷重強度が同程度なら同定結果はその沈下予測に用いることができる。(3)に関して,二次圧蜜のパラメータは一次圧蜜度が80〜85%になった時点から同定が可能である。
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