1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05770016
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
平林 義章 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (30181184)
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Keywords | 組織化学 / 増感ジアミン法 / 物理現像法 / 酵素消化法 / グリコサミノグリカン |
Research Abstract |
1.増感ジアミン法による酸性複合等質の電顕用検出法の確立 酸性複合等質の光顕用検出法として開発された増感ジアミン法[高鉄または低鉄ジアミン-トリクロロ(エチレン)白金酸塩-物理現像法]の物理現像液の組成をジアミン-チオカルボヒドラジド-タンパク銀-物理現像法に用いられている物理現像液の処方に変えて行った。各操作における溶液[ジアミン液、トリクロロ(エチレン)白金酸溶液、物理現像液など]への浸漬時間および浸漬温度などの基本的な条件設定はなされたが、(1)組織の種類によって反応結果に差異がある、(2)人工産物(コンタミネーション)が出やすいなどの問題点が出たため、さらに個々の試料における詳細な浸漬条件ならびに洗浄法などの改良を必要とする。 2.酸性複合糖質分解酵素による消化法の確立 光顕用の増感ジアミン法を用いて、ヒアルロン酸を基質とするグリコサミノグリカン分解酵素の検討を行った。この種の酵素としては従来放線菌ヒアルロニダーゼが用いられて来たが、本酵素の至適温度が高い(60℃)ので組織切片に用いるには難点があった。今回、至適温度が低く(37℃)、また基質特異性も高い薬用ヒル由来のヒアルロニダーゼを使用してその有用性を検討した結果、極めて良好な結果を得た。 3.増感ジアミン法の応用 本年度は歯科領域においては「ラット唾液腺導管周囲結合組織の酸性複合糖質に関する組織化学的研究」、「ラット顎関節の軟骨および関節円板におけるグリコサミノグリカンの組織化学的研究」および「発生中マウス歯周靱帯におけるグリコサミノグリカンの組織化学的研究」、眼科領域においては「小眼球症マウスの発生中ブルーフ膜におけるグリコサミノグリカンの組織化学的研究」、整形外科領域においては「ヒト半月板におけるグリコサミノグリカンの組織学的研究」などを行い種々の新たな知見を得た。
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[Publications] 平林義章: "成獣ラット大唾液腺導管周囲結合組織の酸性複合糖質に関する組織化学的研究" Connective Tissue. 25. 83-90 (1993)
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[Publications] Hironori Ozeki: "Histochemical study on glycosaminoglycans in the developing sclera of experimental microphthalmic (Cts) mice." Nagoya Medical Journal. 38. 89-97 (1993)
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[Publications] 野村岳嗣: "成獣ラット顎関節のグリコサミノグリカンに関する組織化学的研究" 解剖学雑誌. 69. 81 (1994)
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[Publications] 奥田敏治: "慢性関節リュウマチ滑膜組織における酸性複合糖質の組織化学的局在" 日本整形外科学会雑誌. 68. 81-92 (1994)