1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05770055
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉岡 充弘 北海道大学, 医学部, 助教授 (40182729)
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Keywords | セリトニン / 体性運動神経 / 5-HT_3 / 迷走神経 / 咽頭 / 喉頭 / ラット |
Research Abstract |
本研究では末梢性5-HT3受容体を介する体性神経活動修飾作用(骨格筋収縮)に着目し、中枢においてどの様なメカニズムによりこの反射が発現するのかを明らかにすることを目的とした。ラットを用いて末梢性知覚性求心性神経から中枢、そして遠心性運動神経とセロトニンによる一連の系を結合させるため、求心性知覚神経の重要な中継核である節状神経節とその枝である迷走神経咽頭枝および上喉頭神経、なかでもそれらに含まれる運動神経に着目した。ウレタンおよびクロラロース麻酔したラットにおいてセロトニン(1〜50mug/kg)を静脈内投与すると、求心性迷走神経活動は増加し、それに引き続いて迷走神経咽頭枝および上喉頭神経活動の興奮が観察された。これらの作用は5-HT3受容体拮抗薬であるondansetron前処置により有意に抑制された。しかし、5-HT2受容体拮抗薬であるketanserinでは抑制されなかった。また、頚部迷走神経両側切断によりこの反射効果は消失した。迷走神経咽頭枝および上喉頭神経の遠心性神経には運動性神経が含まれており、これらの細胞体は延髄に存在すると考えられる。しかし、axon自体は求心性知覚神経の重要な中継核である節状神経節を経由している。実際にトレーサーを使用した実験で疑核にそれらの細胞体の存在を確認した。したがって、axonはただ単に通過しているのみであることが推察される。以上の結果より、末梢神経の入力側に5-HT3受容体を介する反射誘発機構が存在していることを示すものであり、また出力側には骨格筋を支配する運動神経に影響を及ぼす反射機構が存在することを示唆するものである。 これらの成果は1994年中に米国整理学会誌に掲載される予定である。
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Research Products
(1 results)