1993 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシンII受容体刺激による心機能の制御機構:単一心筋細胞による解析
Project/Area Number |
05770058
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石幡 明 山形大学, 医学部, 助手 (40232326)
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Keywords | アンジオテンシンII / 陽性変力作用 / ホスホイノシタイド / Cキナーゼ / AT^1受容体 / 種差 / 細胞内カルシウム / ロサルタン |
Research Abstract |
アンジオテンシンII(AII)(1nM-3muM)はウサギの摘出心室筋標本においてalphaおよびbeta遮断薬存在下に濃度存在性に陽性変力作用(PIE)を発揮すること,AIIによるPIEは、サララシンおよびAT_1受容体選択的アンタゴニストのロサルタンによって抑制されることが示された.また,ウサギの心室筋スライス標本でAII(10nM-30muM)は濃度依存性にIP_1を増加させること,ホルボールエステルによりPIEとホスホイノシタイド代謝回転の促進が抑制されることから,AIIによるAT^1受容体活性化によるホスホイノシタイド代謝回転の促進が陽性変力作用に連関すること,Cキナーゼ活性化がPIEに関与することを明かにした.しかし哺乳類心筋ではアンジオテンシンIIのPIEには種差が大きいことが示唆されていた.心室筋標本体における[^<125>I]AIIの結合実験の結果,ウナギでは高親和性結合部位の存在が示され,B_<max>は25fmol/mg protein,Kdは1.3nMであった.[^<125>I]AII(0.25nM)の特異的結合をAIIとサララシンは濃度依存性に抑制し一相性の置換曲線を示したが,ロサルタンとPD123319(AT_2受容体選択的アンタゴニスト)では二相性の置換曲線となりAII受容体サブタイプの存在が示された.イヌ・ラットおよびフェレットの各動物の心室筋細胞破壊膜標本にも,[^<125>I]AIIの特異的結合部位が存在し,B_<max>はそれぞれ約76,21,37fmol/mg protein,Kdはそれぞれ約1.9,1.5,1.5nMであった.ウサギ心室筋のAII受容体にはAT^1およびAT^2受容体がほぼ等量存在するのに対して,イヌ・ラットおよびフェレット心室筋ではいずれもAIIにより濃度依存性にホスホイノシタイド加水分解の促進が認められた.以上の結果からAIIの陽性変力作用の種差の原因はホスホイノシタイド加水分解以降の共役過程によるものであると考えられる.さらに,ウサギ単離心筋細胞においてAIIは細胞収縮率の増加をおこしたが,細胞内カルシウムの上昇は明らかではなかったことから,Cキナーゼ活性化に連関して細胞内pHその他の何らかの変化を通して収縮力の変化をおこすと思われる.
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[Publications] 石幡明: "Pharmacological characteristics of the positive inotropic effect of angiotensin II in the rabbit ventricular myocardium." Br.J.Pharmacol.108. 999-1005 (1993)
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[Publications] 石幡明: "Effects of losartan and PD123319 on the [^<125>I]angiotensin II(ANG II)binding and the ANG II-induced phosphoinositide hydrolysis in rabbit myocardium." Japan.J.Pharmacol.63. 273-273 (1993)
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[Publications] 石幡明: "Subtype of angiotensin II receptor and phosphoinositide hydrolysis accelerated by angiotensin II in mammalian ventricular muscles:mechanism of the species difference in the inotropic effect of angiotensin II." Br.J.Pharmacol.(発表予定). (1994)