1994 Fiscal Year Annual Research Report
化学発光基質を用いたin situ hybridization高感度検出系の開発
Project/Area Number |
05770145
|
Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
鈴木 幸一 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20206478)
|
Keywords | 化学発光 / in situ hybridization |
Research Abstract |
In situハイブリダイゼーションの検出系には、ブローブに放射性同位元素を標識しオートラジオグラフィーで検出する方法や、プローブに何らかの分子を導入しそれを抗体等で検出して最終的に酵素基質反応で可視化する方法などが採られている。今回試みた化学発行基質はフィルターハイブリダイゼーションにおいて最近用いられるようになり、放射性同位元素を使わないという利点があるとともに高感度である。化学発行基質の組織学的検出系への応用という観点から考えると、既に広く用いられている酵素抗体法においても同様に応用され得るはずである。この点に着目して、まず酵素抗体法で予備検討を行った。 対象として手術材料から得られたヒト扁桃を用い、ホルマリン固定、パラフィン包理切片を作製し、細胞増殖マーカーであるPCNAまたはMIB-1の1次抗体希釈系列を反応、2次抗体にペルオキシダーゼまたはアルカリフォスファターゼ標識抗体を用い、基質として前者にはECL検出試薬(Amersham)を後者にはスマイライトルミステイン(住友金属)を反応させた。化学発光の検出にはArgus-50/VIM3(浜松ホトニクス)を用いた。 通常の光学顕微鏡レベルの酵素抗体法では1次抗体至適希釈倍率は500倍であったが、化学発光基質をではいづれの基質を用いた場合でも5000倍から10000倍が適当であり、それより濃いと非特異的発光が強く見られた。すなわち常法より10倍から20倍の検出感度が得られた。次に、ヒト子宮頚部組織を用いパピローマウイルスDNAに対するプローブを用いたin situハイブリダイゼーションで検討を行い、本法が検出系として応用可能であることを確認した。 すなわち、化学発行基質の組織学への応用により、放射性同位元素を用いない高感度検出系を確立可能であることが示された。今後、検出に用いる装置の簡略化および分解能の向上がより進めば、組織学の分野でも広く用いられる可能性のある方法と考えられる。
|