1993 Fiscal Year Annual Research Report
DNA fingerprinting法を応用した新しい癌関連遺伝子クローニング法
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05770152
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀尾 光三 神戸大学, 医学部, 助手 (90209289)
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Keywords | 腫瘍関連遺伝子 / DNA fingerprinting法 / DNAクローニング |
Research Abstract |
本研究は、従来腫瘍の主に増殖能亢進という性格を利用して行われてきた腫瘍関連遺伝子の同定法を離れ、遺伝子の構造変化を逐一検出し発癌機構との関連を探る事により、新たな腫瘍関連遺伝子を同定することを目的として計画した。具体的には、腫瘍細胞DNAを、ゲノム内minisatellite sequenceに相補的な合成プローブでDNA fingerprintingの手法を用いて解析し、非腫瘍細胞を対象として腫瘍特異的異常バンドを検出する。次いで、この異常バンド相当部位のDNAを回収してクローニングし、腫瘍関連遺伝子としての性格を解析する事を計画した。まず、上記方法の手法的確率を目的として、培養細胞系を用いた実験をおこなった。ヒト白血病細胞株HL-60の亜株の一つに親株と異なりPMA分化耐性・放射線耐性を示す細胞株があるが、上記DNA fingerprinting法の解析で5.6kbの位置で親株と異なる異常バンドを検出した。-方、実際にヒトに発生した腫瘍を材料とした同方法の実用性を検討するために、剖検材料から得られたDNA材料を用いて上記DNA fingerpriting法を行い、やはり非腫瘍部と異なる異常バンドを検出した。次いで、異常バンド相当部位のクローニングを数度試みたが、ゲルから抽出されるDNA量が微量であり、ベクターとの結合、選択的DNAライブラリーの作製が困難であった。 バンド相当部位はminisatellite sequenceを含んでおり、この性格を利用して、この配列に相補的なPrimerを用いたPCR法を利用することで、ゲルから抽出したDNA断片の増幅が可能と考えられる。この方針に基づき現在研究を進めている。
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