1993 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン1受容体の細胞内領域と会合するタンパク質因子の解析
Project/Area Number |
05770228
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
久野 耕嗣 金沢大学, がん研究所, 助手 (40242565)
|
Keywords | インターロイキン1 / 受容体 / 会合タンパク / シグナル伝達 / プロテインキナーゼ / TNF / インターロイキン8 |
Research Abstract |
1) 本研究は、IL-1R/GSTの融合タンパク質を用い、IL-1Rの細胞内領域と特異的に結合するタンパク因子を同定、精製することを目的としている。ます、マウス、タイプI-IL-1RのcDNAをテンプレートとしてPCR法によりIL-1Rの細胞内領域部分のDNAフラグメントを増幅し、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク発現ベクターpGENT2に組み込み、pCL1R/GSTプラスミドを得た。次にこのプラスミドを用い、大腸菌JM109株でIPTG刺激によりIL-1R/GST融合タンパク質の発現を行ったところ、期待された50kDaのIL-1R/GST融合タンパク質の大量発現がSDS-PAGE上で観察された。しかし発現されたIL-1R/GST融合タンパク質は、そのほとんどが不溶性分画に存在するため精製が難しく、現在のところSDS-PAGE上単一バンドになるまで精製されていない。現在、グアニジン法による可溶化とHPLC等によるIL-1R/GST融合タンパク質の精製を試みている。また、GST以外の他の融合タンパク発現系を現在検討中である。 2) 上記の実験と平行して、IL-1,TNFによるシグナル伝達経路,特にIL-8産生誘導に関与するプロテインキナーゼを検索する基礎的知見を得るため、各種プテインキナーゼ阻害剤の作用を調べた。その結果、胃癌細胞株MKN45細胞でのIL-1,TNFによるIL-8産生誘導および、IL-8遺伝子プロモーターの活性化は、プロテインキナーゼ阻害剤H7により濃度依存的に抑制されるが、HA1004やスタウロスポリンではIL-1,TNFの作用は抑制されないことがわかった。これらの結果から、IL-8遺伝子発現誘導におけるIL-1,TNFによるシグナル伝達にPKCとは異なるH7感受性キナーゼが関与することが示唆された。またIL-1,TNFによるIL-8産生はチロシンキナーゼ阻害剤であるハービマイシンAにより阻害されることから、IL-1,TNFによるIL-8産生誘導のいずれかのステップにチロシンキナーゼが関与していることが示唆された。
|
-
[Publications] Kuno K.: "Structure and function of the intracellular portion of the mouse interleukin 1 receptor(type I)" The Journal of Biological Chemistry. 268. 13510-13518 (1993)
-
[Publications] Harada A.: "Expression of recombinant rabbit interleukin 8 in E.coli and establishment of the essential involvement of IL-8 in recruiting neutrophils into lipopolysaccharide induced inflammatory site of rabbit skin." International Immunology. 5. 681-690 (1993)
-
[Publications] Harada A.: "Molecular cloning of cDNA encoding mouse interleukin 8(IL-8)receptor" Gene. (in press). (1994)