1993 Fiscal Year Annual Research Report
加齢による末梢循環機能低下を修飾する因子に関する考察-特に運動の影響について-
Project/Area Number |
05770249
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
照屋 浩司 杏林大学, 医学部, 講師 (20197817)
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Keywords | 指尖加速度脈波 / APG-index / 末梢循環機能 / 生活習慣 / 運動習慣 / 地域住民検診 |
Research Abstract |
末梢循環機能が加齢により低下することは、すでに知られており、これを修飾する因子としては、さまざまな疾病のほかに喫煙、飲酒といった嗜好品の摂取を含めた日常の生活習慣も無視できないものと考えられる。とりわけ運動が、末梢循環機能の加齢による低下におよぼす影響については、運動が健康の維持増進の目的で積極的に勧められている今日興味深いものといえる。 本研究は、末梢循環機能の指標と考えられる指尖加速度脈波におよぼす生活習慣とくに運動の影響について考察することを目的として、沖縄県下において研究者らが従来より実施してきた地域住民検診の受診者を対象として行った。住民検診時に、喫煙、飲酒、運動などの生活習慣に関する問診を行い、指尖加速度脈波の測定を実施した。加速度脈波の測定は、プリケアグラフAPG-200(ミサワホーム総合研究所)により、末梢循環機能の指標としては加速度脈波係数(APG-index)を用いた。 運動、飲酒、喫煙の影響についてみると、運動については週2〜3回よりも多く身体を動かす群において、加速度脈波係数が大きい傾向にあり、飲酒については、ときどき飲酒するが毎日ではない群において、非飲酒群や毎日飲酒群と比較して加速度脈波係数が大きい傾向にあり、喫煙については、非喫煙群と比較して、喫煙量がより多い群において、加速度脈波係数が低値を示す傾向がみられた。 身体トレーニングによって、加速度脈波係数を指標としてみた末梢循環機能が改善されることはこれまでにも知られているが、本研究で対象としたような高齢者の集団においても同様の傾向がみられ、また、週に2〜3回程度以上の畑仕事や、ゲートボールなどによってもその効果が観察されることが示され、末梢循環機能の維持および向上に有意義である可能性が示唆された。
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