1994 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患の抹梢細気管支病変の成立機序に関わるTGF-betasの意義
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05770394
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松瀬 健 東京大学, 医学部, 助手 (90199795)
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Keywords | ブレオマイシン / アクチビン |
Research Abstract |
ブレオマイシン腹腔内頻回(10日間)投与により実験的肺障害マウスを作成、経時的(2、7、14日目)に肺胞洗浄を行い、肺胞マクロファージを採取し、その培養上清中のTGFbetaスーパーファミリーの生物学的活性を測定した。コントロールとし生理食塩水同等量を腹腔に投与した。また、それぞれの時期に一致して、パラフォルム固定パラフィン包埋肺組織標本を作成、TGFbetaスーパーファミリーを免疫学組織化学的にその発現の局在を検討した。 TGFbetaスーパーファミリーの一つであるactivin Aの肺胞マクロファージ培養上清中の生物学的活性は、赤芽球分化因子として、フレンド細胞の分化誘導能を用い測定した。activin A活性はブレオマイシン最終投与7日に有意に高値を示した。また肺組織中で気管支平滑筋、肺胞マクロファージ、気管支上皮にその局在を認めた。特に、ブレオマイシン最終処理7日、14日目にその発現が強かった。 activin Aはホルモン分泌調整作用以外に多くの生理作用が知られ。特に個体発生における、中胚葉誘導として重要である。疾患としては動脈硬化性疾患の発生との関係で注目されている。今回の検討で肺障害時にその発現が肺胞マクロファージ-で確認され、肺疾患の発症において何らかの役割を果たしていることを初めて示した。現在、喫煙モデルにて細気管支病変との関わりにつき検討中である。
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