1993 Fiscal Year Annual Research Report
エンドセリン受容体動態から検討した痴呆の病態生理に関する研究
Project/Area Number |
05770436
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白井 俊孝 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80196592)
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Keywords | エンドセリン-1 / エンドセリン受容体 / 痴呆 / アルツハイマー病 / マイネルト核 / 脳虚血 / 局所脳血流量 / [^<14>C]iodoantipyrine法 |
Research Abstract |
本研究は、中枢神経系における役割については未だ不明の点が多い神経ペプチドとしてのエンドセリンに着目し、その受容体動態から痴呆の病態生理を多面的に検討することを目的とした。研究は、最終的に、年齢・死後経過時間をマッチさせた健常人と、病理学的に診断されたアルツハイマー病患者の剖検脳切片を用いてエンドセリン受容体動態を検討することを目的とした。本年度は、まず予備実験として、砂ネズミ脳虚血モデルにおけるエンドセリン(以下ET)受容体動態を検討した。一側総頸動脈結紮による2及び6時間脳虚血モデルを作成し、[^<14>C]-iodoantipyrine(以下[^<14>C]-IAP)法により局所脳血流量を測定し、次に断頭後凍結処理し、クリオスタットを用いて作製した連続脳切片において、我々の開発した方法に従い[^<14>C]-IAPをwash outの後、25℃、10分間の条件下で、[^<125>I]ET-1受容体結合実験を行った。洗浄後乾燥処理を行い、1昼夜LKBフィルムに感光させオートラジオグラムを作製し、コンピュータ画像メモリーに取り込んだ上で[^<125>I]の脳組織中の濃度を求め、得られた[^<125>I]ET-1総結合量から非特異的結合量を減じて特異的結合量を求め、脳内各領域において検討した。本年度の研究では、砂ネズミにおいても人と同様に、脳内に広範にエンドセリン受容体の存在する事が確認され、また脳虚血損傷において視床内側核群、視床下部での受容体結合の増加、海馬CA1、CA3での受容体結合の低下が見られるという新たな知見が得られた。 来年度以降は、痴呆動物モデルとして、能動的回避反応を用いて、ラットのマイネルト核破壊モデルにおいてET-1受容体動態の検討をまず行い、最終的にアルツハイマー病患者において同様の検討を行う予定としたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 白井俊孝: "実験的脳虚血モデルにおける脳内endothelin-1受容体動態についての検討" 慶應医学. 71. 123-133 (1994)
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[Publications] 白井俊孝: "砂ネズミ脳虚血モデルにおける脳内endothelin-1特異的結合量に関する検討" Brain Hypoxia. 7. 19-27 (1993)
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[Publications] Shirai T: "Autoradiographic analysis of [^<125>I]endothelin-1 binding in experimrntal cerebral ischemia." Can J Neurol Sci. 20. S204 (1993)
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[Publications] Nozaki H: "Autoradiographic analysis of [^<125>I]endothelin-1 binding in ischemic gerbil brain:Studies of binding kinetic parameters(Bmax and Kd)" J Cereb Blood Flow Metab. 13. S181- (1993)