1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05770499
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
住田 恵美子 久留米大学, 医学部, 助手 (70226603)
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Keywords | 内皮細胞 / 成長因子 / Receptor / FGF / 血管新生 / 側副血行路 / 虚血心筋 / 低酸素 |
Research Abstract |
Basic Fibroblast Growth Factor(bFGF)は血管新生因子として注目され虚血心筋における側副血行路形成に関与していることが指摘されているが、FGF receptor(FGF-R)動態はほとんど解明されていない。今回、坑FGF-R抗体の供給を受けることが出来たので、培養内皮細胞、心筋細胞、心筋梗塞ラットを用いて虚血心筋におけるFGF receptorの動態を免疫学的、分子生物学的に検討した。FGF-Rのpositive controlとして用いたBHK-21 cell lineの免疫染色においては細胞全体に点状の染色像を認めwestern blottingにおいては140Kdにバンドを認めた。培養心筋細胞では免疫染色、western blottingともにFGF-Rの染色性は弱く、低酸素負荷においても著明な変化は認めなかった。血管内皮細胞(クラボウHAEC)ではFGF-Rが染色され、western blottingにおいてもpositive controlと同様に140Kdにバンドの出現を認めた。また低酸素負荷(2%O_2 24hrs)においては明らかな染色性の増強がありFGF-Rの増加が認められた。心筋梗塞モデルである冠動脈結紮を行なったラット心では心筋梗塞巣周辺部位の血管内皮にFGF-Rの染色性の増大が認められたが、虚血心筋においてはFGF-Rの増加は認められなかった。このように低酸素や心筋虚血においては血管内皮細胞に強くFGF-Rの増大が認められたことは、心筋虚血においては心筋細胞にbFGFが強く産生されることを考え合わせるとbFGFは血管内皮細胞にはパラクリン的に働いて側副血行の発育に寄与していることが考えられる
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Research Products
(2 results)