1994 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞における癌関連遺伝子tal-1の発現についての研究
Project/Area Number |
05770511
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 真木子 東京大学, 医学部, 助手 (20225733)
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Keywords | tal-1 / SCL / T-ALL / リコンビネース |
Research Abstract |
tal-1遺伝子の欠失を小児T-ALLの40例、T-ALL細胞株の8例、小児T-NHLの22例、B-precursor ALLの47例、成人のT-ALLの25例、ATLの10例、AMLLの4例にて調べた。その結果小児のT-ALL、T-ALL細胞株のそれぞれの25%にtal-1欠失がみとめられた。他のT関連疾患、B-ALLでは、検出できなかった。切断点近傍の遺伝子配列を検討すると、リコンビネースの認識部位で切れていること、リコンビネース特有のN配列が認められることから、この欠失がリコンビネースによるものであると考えられた。さらに表面マーカーの解析で、tal-1欠失の認められる細胞に共通にCD2(+)CD7(+)CD3(+)が認められ、CD4orCD8が認められる例もあった。このパターンはT細胞内でリコンビネースが作用する時期にみられることから、シーケンスのデータとあわせて、tal-1の異常がリコンビネースのエラーによっておこる可能性が高いと考えられた。これらは、小児のT-ALLに特有の発症機序を考える上で、重要な知見であると考えられる。
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