1993 Fiscal Year Annual Research Report
血管内超音波イメージンブによる肺動脈の病理組織学的評価;生検病理組織との対比
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05770580
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
石井 正浩 久留米大学, 医学部, 助手 (90222950)
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Keywords | 先天性心疾患 / 肺高血圧症 / 血管内超音波イメージング法 / 肺動脈病理組織 / 原発性肺高血圧症 |
Research Abstract |
本研究の目的は、血管内超音波イメージング法を用いて1)肺動脈の病理組織学適評価をおこなうこと2)内科的薬物療法の適応を明確にすることである。 1.本年度、剖検心27例(肺高血圧症を伴う7例心肺病変を持たない20例)の肺動脈各40部位を用いて血管内超音波イメージング法により得られた画像と同一部位の病理組織像を比較検討した。肺高血圧症を伴う7例20部位では中膜、内膜の肥厚を中心とした3層構造を認め同部位の病理祖織像と一致した。またHeath-Edward grade III以上の群では、著明な内膜の肥厚所見を認めた。また心血管病変を持たない20例においては、血管内超音波イメージング像は1層構造を呈した。この結果は1994年米国心臓会議にて発表した。 2.臨床例への応用としては25例に行い剖検心と同様の結果が得られた。すなわち肺高血圧症が軽度の例では中膜の肥厚を中心とした像が得られ、肺高血圧が高度の例では内膜の肥厚を中心とした像が得られ通常の肺生検部位と良好な相関を示した。また、正常な肺動脈圧をもつ群においては、肺血管は1層構造を示した。この結果は、剖検心を用いた結果と一致していた。この結果は1994年小児循環器学会にて発表した。 3.酸素負荷をおこなった3症例、プロサイリン負荷をおこなった1症例では血管内超音波イメージング法にて肺動脈の良好な拡張を認め治療効果の予測が可能であった。今後高度の肺高血圧症への新しい治療法として効果的とされるNO吸入療法の適応決定および治療効果判定などの応用が考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T Sugimura,H Kato,O Inoue,T Fukuda,N Sato,M Ishii,J Takagi,T Akagi,Y Maeno,T Kawano,T Takagishi,Y Sasaguri: "Intravascalar Ultmsourd of Coronary Arterres in children Assessment of the Wall Morphology and the Lumen After Kawasaki Disease" Circulation. 89. 258-265 (1994)