1993 Fiscal Year Annual Research Report
新生児危急チアノ-ゼ型心疾患における動脈管血流維持のための新技術の開発
Project/Area Number |
05770581
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
赤木 禎治 久留米大学, 医学部, 助手 (80231801)
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Keywords | endovascular stent / balloon-expandable stent / 動脈管 / 新生児危急チアノ-ゼ型心疾患 / 動脈管血流維持 |
Research Abstract |
新生児豚を使用しendovascular stentの動脈管血流維持に対する効果を検討した。対象として1から4生日を新生児豚(体重700〜1800g)を使用した。全例ケタラールまたはイソゾールを用いた全身麻酔、気管内挿管下に、頸静脈をcut downし経静脈的に動脈管へcatheterを挿入し、guidewireを介しstentを装着したballoon catheterを動脈管まで進めた。動脈管の位置を確認した後、balloon catheterを拡張させ、stentを動脈管に固定した。本年度はPalmaz-Schatz stent(Johnson and Johnson)のステントとGianturco-Roubin coronary stent(Cook)のBalloon-expandable stentを用いた。移植1週間後、動脈管部位(移植部分)を摘出し、肉眼的、組織学的変化を評価した。その結果は2生日以降の新生児豚は動脈管が閉鎖傾向にありcatheter、guidewireの挿入が困難であったためstentの移植は不可能であった。また1500g以下の仔豚ではseath挿入をするための血管を確保する事が難しく、stentの移植は困難であった。1生日以内、1500g以上の例では手技的にも問題なくstentの移植が可能であった。移植後の病理学的結果については現在評価中である。stent種類によっても挿入の可能性に問題を残した。すなわち、同じ様なballoon-expandable stentであってもステントの長さ、balloon catheterのシャフトの硬さなどの違いにより動脈管へのapproachが困難になることがあった。今回の研究から動脈管をstentにより開存させることが少なくとも1週間は可能であり、新生児早期のチアノ-ゼ心疾患に対する動脈管血流維持の可能性が示唆された。今後、さらに長期の血流維持が可能であるかどうか検討が必用である。また、stentの素材(臨床に応用するに当っての至適直径、至適長など)の開発が重要と考える。 この研究は平成6年7月の日本小児循環器学会で報告する予定である。
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