1994 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌およびその境界病変におけるアシアロ糖タンパク受容体の定量
Project/Area Number |
05770672
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
可知 謙治 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30224463)
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Keywords | Liver / Tc-99m galactosy human serum albumin / Asialoglycoprotein / Asialoglycoprotein receptor / Hepatocellular carcinoma / Liver cirrhosis |
Research Abstract |
はじめに正常ラット肝を0.25M蔗糖中で軽くホモジナイズし,1層のガ-ゼを通した後,1,000g,5分間遠沈,沈渣を0.25M蔗糖中で2回洗浄した.Tc-99mGSA(galactosyl human serum albumin)を用いてbinding assayを試みた.肝細胞と血球との分離が不十分であったためか,肝細胞とGSAの結合率は不十分であった.そこで,培養化されたヒト肝細胞(Chang Liver)を用い,同様のbinding assayを行った.この場合,GSAの結合率は平均0.56%とやはり非常に低かった.その原因として細胞分離に用いたトリプシンの作用,反応時の温度が4℃と低かったことなどが考えられた.そこで,培養細胞を組織培養フラスコに付着させたままで,培地にGSAを加え,37℃で3時間インキュベーション後,上清を採取し,これをカウントした.細胞数は一定(7.5×10^5個),GSAの濃度を変化(A群:3mg/ml,B群:3×10^3mg/ml,C群:3×10^6mg/ml)させ,細胞結合放射能と非結合放射能の比率(B/F)を計算した.結果はA,B,C群のB/Fはそれぞれ0.0656,0.1384,0.1925であった.これをScatchard plotすると,その傾き-K_aは-0.002となり,親和定数K_aは2.0×10^6M^<-1>と算定された.このことからin vitroで肝細胞とGSAの特異的な結合を確認することができた.次の段階として,手術標本を用いたGSAのbinding assayを試みたい.その際の問題点として腫瘍細胞をいかにviableな状態で採取し,GSAと反応させられるかという点があげられる.
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