1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリカルCT用ファントームの開発及びヘリカルCTの性能評価
Project/Area Number |
05770705
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
市川 太郎 日本医科大学, 医学部, 助手 (90232397)
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Keywords | ヘリカルス CT / ファントーム |
Research Abstract |
1.研究前段階として、東芝社製Xforce CTにて、消化管用腹部人体ファントームを用いて、条件設定を様々に変えて、ヘリカルスキャンを行った。テーブル移動速度は5mm、7.5mm、10mm、15mm、/回転で、X線ビーム幅は3mm、5mm、10mm、で各々行った。各CT画像を比較検討した結果、テーブル移動速度が遅いほどSN比は向上し、X線ビーム幅はテーブル移動速度より大きな値の方が画像が良好であると考えられた。臨床上は、呼吸停止時間、管球容量、連続スキャン時間との関係上、有用な撮影条件は限られてくるものと考えられた。 2.臨床例においては、主として5mm、7.5mm、/回転のテーブル速度を用いて検査を行ったが、小病変の診断能、小血管の描出能等に関して、客観的検討が必要と考えられた。 3.ヘリカルCT用ファントームとして直径2mm、3mm、5mm、7mm、10mm大のアクリルボール、また内径10mmの自在に屈曲するビニールチューブを用いて検討を行った。(1)CT上強いコントラストを得るために、アクリルボールは食肉の脂肪塊に埋没させヘリカルスキャンを行った。テーブル移動速度は5mm、7.5mm、10mmを用い、X線ビーム幅は3mm、5mm、10mmを用いた。テーブル移動速度は遅いほど、X線ビーム幅は小さいほどアクリルボールの形態的描出は向上した。しかし、径2mm、3mm、のものでは、条件により全く描出されない場合があった。また、これらの描出は、同一の撮影条件であっても、画像再構成間隔によって大きく異なることが明らかとなった。2mm間隔再構成は、どの撮影条件でも常に5mm、10mm再構成に比し、良好な描出能をもっていた。(2)ビニールチューブは、様々に屈曲させ、また内部に隔壁を形成し、異なったCT値をもつ物質を充満させ、ヘリカルスキャンを行ったが、このデータの解釈については現在検討中である。
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