1993 Fiscal Year Annual Research Report
精神異常惹起物質のドパミン伝達促進作用に対するD-アミノ酸の効果に関する研究
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05770714
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
谷井 靖之 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (80227206)
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Keywords | 心理的ストレス / コミュニケーションボックス / ベンゾジアゼピン / ドパミン / 脳内微小透析法 / 不安惹起物質 / D-アミノ酸 / 精神異常惹起物質 |
Research Abstract |
(結果) 1.コミュニケーションボックスを用いて、ラットに身体的要因の関与が少ない心理的ストレス(20分間)を負荷すると、前頭葉皮質、扁桃体外側基底核、線条体のドパミン(DA)放出はそれぞれ約140%、120%、105%まで増加した。 2.不安惹起物質のbeta-カルボリン誘導体(FG7142;10mg/kg)投与では、前頭葉皮質、扁桃体、線条体のDA放出はそれぞれ約220%、165%、115%まで増加した。 3.拘束ストレス(40分間)、フットショックストレス(0.5mA、30秒毎に5秒間:総刺激時間20分間)負荷時のDA放出の増加率は、従来の報告と一致しており前頭葉皮質、扁桃体、線条体の順に高かった。 4.扁桃体基底外側核において、これらのストレス刺激に対するDA放出量増加は、代表的抗不安薬であるdiazepamによって抑制され、このdiazepamの抑制効果はベンゾジアゼピン受容体の拮抗薬であるflumazenilの併用投与によって拮抗された。 (考察)従来から用いられている拘束ストレス、フットショックストレス負荷以外に、身体的要素の関与が少ない心理的ストレス負荷によっても中脳皮質DA神経系のストレスに対するDA放出量の増加率が高いことが脳内微小透析法を用いて明らかになった。不安を引き起こすbeta-カルボリン誘導体投与時にも、中脳皮質DA神経系のDA放出率が最も高く、ストレスによる反応性の変化は不安によってもたらされていることが示唆された。これらのことから前頭葉に投射する中脳皮質DA神経系はストレスによって引き起こされる不安や恐怖などの発現に関連する重要な部位であることが示唆された。またdiazepamが示す抗不安作用の一部は、GABA_A受容体/ベンゾジアゼピン受容体/Clイオンチャンネル複合体を介して、DA神経系の神経活動を抑制することによって現れていると考えられた。
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