1993 Fiscal Year Annual Research Report
神経-内分泌-免疫系におけるインターロイキン-1レセプターの役割について
Project/Area Number |
05770770
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
高尾 俊広 高知医科大学, 医学部, 助手 (00243824)
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Keywords | イナタ-ロイキン-1 / レセプター / リポポリサッカライド / 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン / 副腎皮質刺激ホルモン / コルチコステロン |
Research Abstract |
インターロイキン-1(IL-1)は活性化されたマクロファージから産生されるサイトカインの一つで、感染、ストレス、抗原刺激に対する免疫学的、病理学的反応の関わるキ-メディエーターの一つである。これらのIL-1の効果は特異的レセプターを介して発現していると考えられる。エンドトキシンショックにおける神経-内分泌-免疫軸におけるIL-1レセプターを検討するためにエンドトキシン、リポポリサッカライドをマウスに投与し、IL-1レセプターの変化および血中ACTH、コルチコステロン値について検討した。30mug、60mug、300mugのエンドトキシン腹腔内投与でコルチコステロンは有意に上昇した。一方、ACTHは60mug、300mugのエンドトキシンのみで上昇を認めた。30mugのエンドトキシン腹腔内投与後2時間で、下垂体、肝、脾、睾丸におけるIL-1レセプターは著明に減少したが、海馬におけるIL-1レセプターは変化しなかった。この差異が用量依存性のものかどうかを検討するために、300mugのエンドトキシンをマウスに腹腔内投与した。投与後2時間で末梢組織におけるIL-1レセプターのみならず、海馬におけるIL-1レセプターも減少した。海馬におけるIL-1レセプターの減少が単に用量だけの効果であるのか、エンドトキシンに、より長い暴露によっても同様の変化が生ずるかどうかを検討するために30mugのエンドトキシンを12時間間隔で2回投与した。エンドトキシン2回投与により睾丸のみならず海馬におけるIL-1レセプターが減少した。これらの結果より、エンドトキシンショックにおけるIL-1レセプターの変化は中枢組織と末梢組織では異なることが示唆された。このメカニズムの一部には血液脳関門の関与が示唆された。
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