1993 Fiscal Year Annual Research Report
血清アミロイドA蛋白mRNAの動脈硬化巣における発現
Project/Area Number |
05770771
|
Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
公文 義雄 高知医科大学, 医学部, 助手 (40215033)
|
Keywords | 血清アミロイドA蛋白 / 動脈硬化 / 高比重リポ蛋白 / 慢性関節リウマチ / 滑膜繊維芽細胞 |
Research Abstract |
動脈硬化巣は血管平滑筋細胞および各種浸潤細胞により分泌されるサイトカインにより、自らがparacrine的に増殖を繰り返す炎症の場と考えられている。血清アミロイドA蛋白(SAA)は急性期蛋白でありながら、ヒト粥状硬化巣に存在すること、高比重リポ蛋白と結合すること、血小板凝集抑制作用を持つことなど多様な生理機能を持ち合わせていることより、本研究では動脈硬化巣局所でのSAAの発現とSAAの動脈硬化巣形成段階への関与を確認することが目的である。pA1配列(SAAcDNA)より、polymerase chain reaction(PCR)法にて増幅した約300bpのDNAフラグメントをジゴキシゲニンにて標識し、これをプローブとしてhybridizationを行った。その結果、閉塞性動脈硬化症患者の下肢切断時に得られた粥状硬化巣では反応を認めなかった。組織切片処理側に問題があったことより、その後新たな検体にて現在検討中である。 一方、動脈硬化巣より炎症が強い慢性関節リウマチ(RA)の滑膜は血管新生を伴う。そこで、動脈硬化における血管とSAAとの関係を明らかにするために、RAにおける血管とSAAとの関係を見ている。まず、本疾患の滑液中のSAAの性状および滑膜での産生についても検討したところ、非炎症性関節症である変形性関節炎患者に比し、RA患者滑液中SAAの温度は有意に高値であること、さらに、滑液中SAAのisoformは血漿中のそれと異なることを見いだした(第38回日本リウマチ学会総会にて発表)。現在、RA患者より得た培養細胞(synovial fibroblast)を用いて、蛋白及び遺伝子レベルでこれらを確認している.さらに、滑膜中の新生血管とSAAの関係を調べている。
|
Research Products
(1 results)