1994 Fiscal Year Annual Research Report
先天性アミノ酸尿症の原因としてのヒト塩基性アミノ酸トランスポーターの同定
Project/Area Number |
05770829
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
善本 隆之 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80202406)
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Keywords | 先天性アミノ酸尿症 / 塩基性アミノ酸トランスポーター / Ecotropic マウス白血病ウイルスレセプター |
Research Abstract |
Ecotropicマウス白血病ウイルスレセプター(ERR)としてクローニングされたタンパク質分子は、細胞内外のアルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸の輸送を司るトランスポーターとしても機能する。今回は、まず私達がクローニングしたERRのヒトホモローグ(H13,アミノ酸配列の相同性は87.6%)が、マウス白血病ウイルスのレセプターとしては機能しないことを利用し、ヒトとマウスのキメラ分子、さらにSite-Directed Mutagenesisの手法を用いMutantを作製し、ウイルスレセプターとしての機能及びトランスポーター活性を調べた。その結果、ERR分子中の235番目のTyr残基がウイルス感染に重要なアミノ酸残基であり、またこれらのMutantationはトランスポーター活性にはほとんど影響を与えないことが明らかになった。次に、抗H13モノクローナル抗体を作るため、上述の領域を含む第3番目の細胞外領域とGlutathione S-TransferaseとのFusion Proteinを作製し、アルメニアハムスターに免疫し、その脾臓をAg8.653細胞と細胞融合させ、現在スクリーニング中である。抗体が得られれば、腎臓等の臓器における免疫組織学的検討を行う予定である。一方、二塩基性アミノ酸尿症患者からBiopsyにより採取し樹立した細胞株を東邦大学大森病院より頂き、DNA及びRNAを調製し、現在、Southern及びNorthern Blotを行っている。今後、この細胞のRNAよりこの患者のトランスポーターcDNAをRT-CRによりクローニングし、そのトランスポーター活性を測定する予定である。
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[Publications] Takayuki Yoshimoto: "Identification of Amino Acid Residues Critical for Infection with Ecotropic Murine Leukemia Retrovirus." J.Virol.67. 1310-1314 (1993)
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[Publications] 善本隆之: "Ecotropicマウス白血病ウイルスレセプターのウイルス感染に重要なアミノ酸残基の同定" 日本ウイルス学会総会演説抄録. 40. 5023- (1992)