1993 Fiscal Year Annual Research Report
尿細管上皮細胞におけるMK遺伝子の役割とその臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
05770835
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
叶澤 孝一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (10233917)
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Keywords | MK遺伝子 / 尿細管上皮細胞 / 急性腎不全model |
Research Abstract |
1.150〜250gの雄WisterおよびSDラットを用いて、30分間の腎動脈閉塞および50%glycerol 0.1ml/gBWの下腿筋肉内注射により急性腎不全modelを、5/6腎摘出により代償性肥大腎modelを作成した。急性腎不全modelでは6時間後、1日後、3日後、7日後に、代償性肥大腎modelでは10〜12週後に、腎組織をDEPC treated PBSで潅流した後に採取し、total RNAの抽出はacid guanidinium thiocyanate-phenol-chloroform法およびRPA RNA isolationkitで行った。尿細管上皮の再生・増殖過程におけるMK遺伝子の発現をnorthern blot法で観察したが、いずれのmodelにおいてもマウスMK遺伝子の発現はhouse keeping geneとして用いたEF1-alphaの発現に比べ非常に弱く、発現の強弱を検討するに至らなかった。急性腎不全modelにおいて、組織学的検索ではS2〜S3の部位の尿細管上皮の壊死・再生が観察されており、ラット尿細管上皮の再生過程においてはマウスMK遺伝子の関与は弱いと考えられた。 2.最近の知見では、マウスMK遺伝子がヒトの組織にcross reactするためにヒト正常組織や癌組織に対するマウスMK遺伝子を用いた研究がなされつつあるが、これを確認するためにhuman tumor cell lineにおいてMK遺伝子の発現が認められるかどうかをnorthern blot法で検討した。この結果、G-401(Wilms'tumor),COLO201(coloncancer)で特に強い発現を認めたのを始め、ITO-II(testicular tumor),T24(urinary bladder tumor),HepG2(hepatoma)でもやや強い発現が認められた。以上の結果を踏まえて、今後腎癌の早期診断などへの臨床応用を検討して行きたい。
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