1994 Fiscal Year Annual Research Report
新生児気管支肺異形成症の発生要因としての好中球機能亢進に関する研究
Project/Area Number |
05770852
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
津野 隆久 信州大学, 小児科, 助手 (10242695)
|
Keywords | 気管支肺異形成症 / 活性酸素 / 好中球 / 化学発光 / 新生児 |
Research Abstract |
1.末梢血中の好中球活性酸素産生能についてオプソニン化ザイモザン(OZ)、ホルボールミリステート(PMA),走光性ペプチド(FMLP)などの刺激にて化学発光法で計測したところ、正常新生児とBPD新生児の間に有意な差は認められなかった。 2.気道吸引液中好中球の活性酸素産生能について上記と同様に調べた結果、コントロールに比しBPD児では活性酸素産生量の上昇がみられ、OZ刺激で1.42倍、PMA刺激で1.28倍、FMLP刺激で1.35倍の増加が認められた。 3.抹消血中好中球の遊走能についてFMLP刺激によりボイデンチャンバー法を用いて測定したところ正常新生児とBPD新生児の間に有意な差は認められなかった。 4.気道吸引液中好中球の遊走能はコントロールに比しBPD児で高まっており、約20%の増加がみられた。 BPD児1の気道吸引液中好中球機能は亢進しており局所での好中球機能亢進がBPDの発生に大きく関わっていると考えられた。 5.BPDの重症度を示す指標として吸入酸素濃度および平均気道内圧を算出し、気道吸引液中好中球の活性酸素産生能の増加の程度と比較検討したところ明かな相関関係はみられなかった。 6.in vitroで気道吸引液中好中球をド-バミンとincubateし、各種刺激を加えた後活性酸素産生量を測定したところ、活性酸素産生は抑制された。このことからド-バミンを投与することによりBPDの発生を防ぐあるいは軽減できる可能性が示唆された。
|