1993 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換えヒトエリスロポエチンを用いた自己血輸血による無輸血消化器癌手術の確立
Project/Area Number |
05770934
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
宍倉 祐子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80181105)
|
Keywords | 自己血輸血 / 遺伝子組換えヒトエリスロポエチン / 消化器外科 |
Research Abstract |
消化器癌(胃癌・結腸癌・直腸癌など)を対象とし、術前に生化学検査、血算、Fe、TIBC、フェリチン、を検査し、Hb値11.0g/dl以上で肝腎障害のない患者を対象に術前自己血採血(400〜800ml)を行った。症例を l EPO(-),自己血(+) l-1)男4例(採血前Hb値 12.9〜13.4) l-2)女4例(採血前Hb値 11.1〜12.0) 、ll EPO(+)(3000IU,術後7.7日間 術後4.5日間),自己血(+)男6例 女1例(採血前Hb値11.4〜16.2) III 術後EPO使用(3000または6000IU14日間),自己血(-)男4例 女2例 IV EPO(-),自己血(-) 男3例 女2例 に分けると、貯血後から術前までのHb増加量はI-1),I-2),IIはそれぞれ、0.1g/dl(平均7.8日,0.3g/dl(平均9.0日),0.9g/dl(平均8.9日)でII群は有意に高かった。術後のHb値の変化は一週目ではI-1),I-2),IIはそれぞれ-0.25g/dl,-0.8g/dl,0g/dlで、術後にEPOを用いたII群で低く、2週目にはI-1),I-2),III,IV,はそれぞれ-0.6g/dl,-0.8g/dl,-0.1g/dl,-1.7g/dlとなり、III群で有意に低く、I・II群もIV群に比し低くなっており、EPOを使用しなくても自己血採取による造血刺激のため内因性EPO分秘がおこり術後の貧血回復がIV群に比し早くなっていると考えられた。このことから、1.術前EPOを併用して自己血採取を行うとEPOを使用しない場合に比べHb増加量が増える。2.術後EPOを併用すると術後のHb低下が抑えられる。また術前・術後ともEPOを用いなくても術前採血をすることによって術後のHb低下が抑えられる。3.EPOを用いながら術前自己血採血を行い、術後もEPO投与を行うことによって術前・術後とも貧血にならずに手術が受けられる。と考えられた。 今後さらに症例を増やし、細かい至適使用量を検討する予定である。
|
Research Products
(1 results)