1993 Fiscal Year Annual Research Report
MR SPECTOROSCOPYを用いたラット脊髄損傷モデルでの生化学的病態解明
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05771005
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
飛騨 一利 北海道大学, 医学部・付属病院, 助手 (10238305)
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Keywords | MRS / Spinal cord injury / 脊髄損傷 |
Research Abstract |
研究実績の概要 急性期脊髄損傷における生化学的変化を明らかにする目的にて動物モデルを作成し、検討を重ねた。Wister系(250-300g)にたいし、Pentobarbital(50mg/kg,i.p.)麻酔導入後、気管切開し、挿管したのちにHarvard respiratorにて呼吸を維持し、T6-9椎弓切除、T7/8硬膜外クリップ(クリップ140g,クリップ時間3秒間)にて脊髄損傷を作成し、一定時間(control,30分,2,4時間)後、液体窒素にて代謝を止め、ラットを屠殺し(n=各5)、脊髄をとりだした。その後、PCA抽出を行い、11.75T(500MHz)のNMR spectroscopyにて測定した。contorolの脊髄標本(300mg)から得られたspectraより、Inositol,N-acetyl aspartate(NAA),Choline,Creatine,GABA,Aspartate,Taurine,Glutamateの各peakが同定された。これらのpeak intensityよりCreatine(Cr)を内部規準としてその変化をみた。mitochondria内で合成され、その低下は神経細胞の脱落を意味すると言われているNAAですが、NAA/Crは損傷前ratioが1.02であったが、30分後0.75、2時間後0.6、4時間後0.55と経時的に減少していた。mitochondriaの機能障害による機気性解糖により産生されるLactateであるが、Lactate/Crは30分後0.7、2時間後0.83、4時間後1.2と経時的に増加していた。さらにAcetate,Alanineも有意に増加がみられ、それぞれ組織障害、およびクエン酸回路の障害により経時的増加がみられた。他のpeakでは有為な変化はみられなかった。 以上、本実験により、脊髄損傷の急性期の生化学的機序の解明に貢献することが期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kazutoshi Hida: "Schwannoma in the psoasmuscle removed by the retroperitoneal approach" British Journal of Neurosurgery. 7. 213-216 (1993)
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[Publications] Kazutoshi Hida: "Intramedullary disseminated capillary hemangioma" Neurosurgery. 33. 1099-1101 (1993)
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[Publications] Kazutoshi Hida: "Glioma of the conus medullaris" Paraplegia. 32. 52-58 (1994)