1993 Fiscal Year Annual Research Report
牛脳毛細血管内皮細胞を用いた脳腫瘍指向性リポソームの血液関門透過性の検討
Project/Area Number |
05771025
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 弘己 長崎大学, 医学部, 助手 (30210420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 尚武 長崎大学, 医学部, 教授 (50039517)
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Keywords | 脳血管内皮細胞 / 血液脳関門 / リポソーム |
Research Abstract |
1)牛脳灰白質より分離抽出した細胞が脳血管内皮細胞であることの確認を、免疫組織学的手法を用いて行った。初代培養した細胞には高頻度に第8因子関連抗原(von Willebrand factor)が証明され、また形態的にも紡錘形の細胞の密な増生が認められ、我々の用いた方法で高純度の脳微小血管内皮細胞を分離抽出することが可能であると判明した。 2)リポソームの脳微小血管内皮細胞透過性をin vitroで検討した。内皮細胞をポリカーボネイト製の膜上に単層培養し、12-14日目に Side-bi-side Diffusion Cellに装着。フリーのシスプラチン、同薬剤を封入した通常の中性リポソームおよび多糖体(プルラン)で被覆した中性リポソームを用いて透過実験を行った。4℃の条件下ではフリーのシスプラチン、リポソーム群ともに脳微小血管内皮細胞透過性は極めてわずかであったが、37℃ではリポソーム群の透過性が4倍程度増大した。但し、フリーのシスプラチンも透過性亢進が認められ、3群間に統計学的な有意差を示すには至らなかった。リポソームはEnergy dependent transcellular transportにより血液脳関門を透過することが示唆されたが、単に細胞間よりのLeakageであった可能性もあり、現在詳細に検討中である。
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