1993 Fiscal Year Annual Research Report
梗塞巣遠隔部における神経細胞活動電位の経時的変化と組織学的変性
Project/Area Number |
05771053
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
徳野 達也 近畿大学, 医学部, 助手 (00248006)
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Keywords | 脳梗塞 / 視床 / 大脳皮質 |
Research Abstract |
ラットのMCA閉塞モデルを用いた.このモデルでは体性知覚領野を含む大脳皮質が梗塞に陥るが,視床は梗塞には陥らない.しかし,視床と梗塞に陥った大脳皮質とは密接な神経連絡があり,大脳皮質後時間の経過とともに視床は退行変性に陥った.すなわち梗塞後4日後では光顕的には大きな異常は認めないもののTTC染色にて染色性の低下を認め,7日後より光顕的に視床神経細胞は変性に陥り,14日後にはさらに変性は進んだ. 視床にある知覚中継核VPL神経細胞より微小電極を用いてsingle unit activityを記録し電気生理学的に神経機能を評価した.対側上肢を電気刺激を行ないこの刺激に応答するVPL神経細胞のsingle unit responseを測定し,視床VPL神経細胞のsynaptic transmissionの変化を経時的に検討した.sham controlでは30Hzでの電気刺激下でのVPL神経細胞のfiring rateは約0.7spikes/stimulusであったが,MCA閉塞後1日後では約0.1と著明に低下した.しかし,4および7日後には0.4から0.5に回復した.。しかし,14日後には再び約0.1と減少した.VPL神経細胞にしぼった機能の面からはこの様に特徴ある変化を生じることが明らかとなった.
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