1993 Fiscal Year Annual Research Report
椎間板基質合成の調節因子とストレス受容の細胞生物学的解析
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05771060
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
大島 博 富山医科薬科大学, 附属病院・整形外科, 講師 (00213702)
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Keywords | 椎間板 / 基質代謝 / insuline like growth factor-1(IGF-1) / IGF-1 receptor / in situ hybridization |
Research Abstract |
IGF-1は至適荷重下において椎間板のプロテオグリカン合成促進作用を有するが、本年度の研究成果により椎間板の細胞表面には軟骨細胞より多数のIGF-1受容体を有するとともに、椎間板細胞自らIGF-1を合成、分泌していることが明らかにされ、IGF-1を介した基質代謝調節機構を備えていることが示唆された。 1)椎間板細胞におけるIGF-1の自己分泌機構の証明 椎間板培養細胞に対してIGF-1のmRNAに対するoligonucleotide probeを用いたIn situ hybridizationを行った。その結果、椎間板細胞核周囲の細胞質および細胞周囲には明らかにIGF-1のmRNAが発現されており、椎間板細胞はIGF-1の合成および自己分泌機構を有していることが確認された。現在、成牛および胎児牛椎間板を用いてIGF-1の自己分泌能と成熟度の関係を検討中である(平成6年度日本整形外科学会基礎学術集会にて発表予定)。 2)椎間板細胞におけるIGF-1受容体の検証 (A)免疫組織学的染色:新鮮椎間板組織切片および椎間板培養細胞に対してIGF-1受容体のalpfa-subunitに対する家兎polygonal IgG抗体を用いたABC法によりIGF-1受容体を免疫組織学的に初めて証明した。このIGF-1受容体は線維輪に比べて髄核細胞においてより多く染色されること、培養細胞でも細胞の形態が若干異なるもののIGF-1受容体を失っていないことが確認された。 (B)Scatchard解析によるIGF-1受容体の特性の解析:胎児牛椎間板と成牛椎間板髄核の培養細胞に対してradiommunoassay(Scatchard解析)を行った結果、椎間板培養細胞には関節軟骨の培養細胞とほぼ類似した親和性をもつ、より多数の受容体(9.25×10^4/成牛椎間板細胞、0.2-1.3×10^4/関節軟骨細胞)を有すること、年齢や成熟度による数と親和性の差異は少ないことが判明した(平成5年度軟骨代謝研究会で発表)。
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Research Products
(1 results)