1993 Fiscal Year Annual Research Report
振動静水圧環境におけるヒト椎間板の性、年齢区画別基質合成、解離の特性
Project/Area Number |
05771061
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
石原 裕和 富山医科薬科大学, 付属病院, 助手 (30242499)
|
Keywords | 静水圧 / 椎間板代謝 / プロテオグリカン / 金属性蛋白分解酵素(MMP-3) / 抑制物質(TIMP) |
Research Abstract |
今年度は静水圧の椎間板基質合成能(プロテオグリカン、プロテイン合成能におよぼす影響)および椎間板基質分解能(基質分解酵素MMP-3、およびその抑制物質TIMP産生能におよぼす影響)を明らかにした。まず変成を生じていない牛尾椎間板を用いて、静水圧のプロテオグリカンおよびプロテイン合成能に及ぼす影響を明らかにした。0.3-1.5MPaの静水圧は基質合成能を促進、一方3.0-5.0MPaにおいては、その抑制を確認した。このことより、椎間板組織には至適静水圧環境の存在することが示唆された。次に手術時摘出ヒト椎間板および解剖時摘出椎間板を髄核、内側、外側線維輪に細切し各々を組織培養に供した後、それらを組織変性度別に分類し、MMP-3(潜在型)の産生量の相違を確認した。即ち椎間板組織変性度の強度に比例してMMP-3産生量の増加を認め、内側線維輪において、その産生量は最高であった。 さらに、組織変性度別に静水圧の影響を調べた。低圧(0.3MPa)、短時間(20秒)負荷群においてMMP-3産生は促進され、高圧(3.0MPa)、短時間負荷群においては抑制された。 以上より、生理的静水圧条件下においては、椎間板の基質合成、分解ともに代謝活性が亢進し、基質の新陳代謝が早まる一方、高静水圧条件下においてはこれらが抑制を受けることが判明した。 今後は椎間板におけるTIMP産生に及ぼす静水圧の影響を明らかにし、さらにそれがどの様な細胞内メカニズムで起こるのか、とくに細胞内二次伝達系の関与を解明する。
|
Research Products
(1 results)