1994 Fiscal Year Annual Research Report
エンドトキシンショックにおける呼気中一酸化窒素濃度と重症度の関連について
Project/Area Number |
05771114
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
槙田 浩史 東京医科歯科大学, 医学部・麻酔蘇生学講座, 講師 (20199657)
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Research Abstract |
当初エンドトキシンを注入し、呼気中の一酸化窒素を質量分析計(MGA2000、チェスト・エム・アイ社)にて測定の予定であったが、質量分析計が作動せずやむを得ず血中NOx(窒素酸化物)の測定を行った。 5頭のイヌをケタミン、セコバルビタールで麻酔し、人工呼吸を行った。エンドトキシンのかわりに、TNF10mcg/kg静注した。平均動脈圧は、対照時130mmHg、4時間後128mmHgと変化しなかったが、心拍出量は、対照時2.4L/minから4時間後1.3L/minに有意に低下した。このとき体血管抵抗は、4404dyn/sec/cm^5から7108dyn/sec/cm^5に上昇していた。血中NOxは、対照時10.7mcmol/Lから4時間後19.4mcmol/Lと有意に上昇した。 血中NOxがNOの代謝産物であると考えると、NOによって血管が拡張し体血管抵抗は低下することが考えられるが、実際には上昇していた。これはショックの進行によって昇圧物質(ノルアドレナリン、アンギオテンシン、エンドセリンなど)の産生が増加し、その効果のほうが大きかったことが考えられる。エンドトキシンショック状態では、種々の物質が産生され、それぞれがどのように循環動態に関連し合うのか複雑であり、さらに検討する必要がある。
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