1994 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経ブロックの低酸素性肺血管収縮に及ぼす影響:経食道心エコーによる検討
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05771121
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
寺澤 悦治 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (90180075)
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Keywords | 肺静脈血流動態 / 片肺換気 / 低酸素性肺血管収縮 / 体位変換 |
Research Abstract |
・われわれは,手術中に分離肺換気中の肺静脈血流動態を検討し,低酸素性肺血管収縮による血流のシフトが肺静脈の血流動態に影響を及ぼすことを報告してきた。観察した変化が低酸素性肺血管収縮のみによるものか,及び局所麻酔薬による交感神経ブロックの影響を明らかにすることを目的に,(1)仰臥位で両肺換気 (2)仰臥位で片肺換気10分後(手術側を虚脱)(3)片肺換気にしたまま体位変換を行い,体位変換10分後の3条件下で検討を行った。口頭で同意を得た患者10名を対象としたが,1名は食道内単触子が挿入できず検討から除外した.患者は全身麻酔のみの群(7名),硬膜外麻酔供用群(2名)のサブグループに分け検討した。 ・低酸素性肺血管収縮による影響は両群に差は認められす換気側では肺静脈の収縮期,拡張期の最大流速は共に増加し(39cm/sec→44cm/sec,31cm/sec→37cm/sec),時間流速積分値および肺静脈の径も増加した(24cmsec→28cm,7mm→10mm)。非換気側では肺静脈の収縮期の最大流速のみ減少した(28cm/sec→30cm/sec). ・側臥位に変換すると換気側では両群で異なる変化を示した。全身麻酔のみの群では肺静脈の収縮期の最大流速,肺静脈の径は増加し(48cm/sec→53cm,10mm→12mm),時間流速積分値も増加した(28cm→30cm)。硬膜外麻酔供用群では拡張期の最大流速は低下,時間流速積分値は低下した(28cm/sec→30cm/sec,26cm→20cm)。この両群の変化の差の原因を肺静脈の径に求めることができなかった。非換気側では両群共に同様の傾向を示し,肺静脈の収縮期の最大流速と時間流速積分値は低下したが(50cm/sec→33cm/sec,24cm→16cm),肺静脈経には有意な変化は認められなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 寺澤悦司: "分離肺換気時の肺静脈血流動態;経食道ドブラルエコー図法による検討" 日超医論文集. 63. 611-612 (1993)
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[Publications] 大畠博人: "間歇的陽圧呼吸の左房・左室流入動態に及ぼす影響:経食道パルスドプラ法による検討" 日超医論文集. 60. 285-286 (1992)
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[Publications] 寺澤悦司: "PEEPの肺静脈血流動態に及ぼす影響" 日超医論文集. 56. 531-532 (1990)
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[Publications] 寺澤悦司: "PEEPの肺静脈血流動態に及ぼす影響" 日超医論文集. 57. 327-328 (1990)
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[Publications] Shigeru Akamatsu: "Mitial prosthetre dehiscence with paipar regurgitant flow signals assessed by transesophageal echocardrography" CHEST. 104. 1911-1913 (1993)
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[Publications] Michio Arakawa: "Age-Related Increase in Systolic-Fraction of Pulmmary Vein Flow Velecity-Time Integoaltion Transesophagcal Doppler Echocardiography in Subjects without cardiac disease" The American Journal of Cartobry. 70. 1190-1194 (1992)