1993 Fiscal Year Annual Research Report
エンドトキシンショックの血管壁ナトリウム利尿ペプチドへの影響
Project/Area Number |
05771127
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白神 豪太郎 京都大学, 医学部, 助手 (20235740)
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Keywords | エンドトキシンショック / C型ナトリウム利尿ペプチド / エンドセリン |
Research Abstract |
エンドトキシンショック(ETxS)のC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)分泌への影響について以下の検討を行なった。1)麻酔雑種成犬(10-15kg、7頭)に頚動静脈にカニュレーションした。頚静脈カテーテルよりエンドトキシン(LPS)を1mg/kg投与しETxSを作成した。頚静脈より血圧測定および採血を行い、血中CNPおよびエンドセリン(ET)濃度をラジオイッムノアッセイ法(RIA)にて測定した。LPS投与前(Basal)、投与後45分、90分および180分の平均動脈血圧はそれぞれ、111±6、99±7、78±7(p<0.05vsBasal)および77±7(p<0.05)mmHgであった。血中CNP濃度はそれぞれ8.0±2.6、11.2±3.8、13.6±4.4(p<0.05)および15.6±5.2(p<0.05)fmol/ml、血中ET濃度はそれぞれ7.9±1.1、12.1±1.8、34.2±6.5(p<0.05)および29.6±3.0(p<0.05)fmol/mlであり、いずれも血圧の低下とともに上昇した。また、麻酔ラット(250-300g)に頚静脈カテーテルを挿入し、LPSを5mg/kg投与し、採血を1回行った(各5-7匹)。LPS投与前(Basal)、投与後1、2および4時間の血中CNP濃度はそれぞれ、0.8±1.0、3.6±0.6(p<0.05)、5.8±0.8(p<0.05)および3.8±0.6(p<0.05)fmol/mlであった。血中ET濃度もまた上昇した。以上の結果よりETxSにより血管内皮由来の血管作動性ペプチドであるCNPおよびETの分泌が増加することが明らかとなり、ETxSにおける血管内皮およびCNPならびにETの意義が示唆された。2)ラット摘出潅流腸管膜動脈標本よりのCNP分泌を確認した。これを用いてLPSによるCNP分泌動態を検討している。ラット摘出潅流心臓および肺標本潅流液中のCNPについて検討を行ったが、心臓由来のナトリウム利尿ペプチドあるいは潅流液中の高分子物質のRIAへの干渉があり、さらに検討を行っている。3)ETxS時のCNP生合成への影響、CNPとET、EDRFおよびサイトカインとの相互作用について検討を行っている。
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