1993 Fiscal Year Annual Research Report
再灌流心の局所心筋収縮能、循環動態、心筋代謝に及ぼす麻酔薬(イソフルレン)の影響
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05771148
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
金谷 憲明 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10244344)
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Keywords | 虚血心 / 心機能 / 心筋代謝 / 吸入麻酔薬 / イソフルレン |
Research Abstract |
短時間の冠状動脈閉塞後に血流が再開通した場合、組織壊死には至らないものの心収縮能は抑制される、いわゆる"stunned myocardium"となることが知られている。これらは、手術中においても冠血管攣縮などの心虚血、人口心肺使用後、心臓移植後などに認められ、心収縮能低下が遷延することは患者の生命予後に多大な影響を与える。吸入麻酔薬は一般に、正常心に対し心収縮抑制作用を示すが、再灌流心に対する作用は未だ判明していない。イソフルレンは近年本邦でも発売された吸入麻酔薬であるが、強い冠動脈拡張作用を有するため再灌流心にも何らかの影響をもつことが期待される。しかし、stunned myocardiumは、その発生機序が不明なこともあり、麻酔薬の及ぼす影響についてはほとんど知られていない。本研究の目的は、stunned myocardiumという病態に対し吸入麻酔薬であるイソフルレンが局所心筋収縮能、循環動態、心筋代謝の面からどのような影響を与えるかを調べることである。 研究1として雑種成犬24頭を用い、循環動態・局所心筋収縮の計測を行った。麻酔法により対象をイソフルレン群(終末呼気濃度1MAC)と対象群(morphine-urethane-alpha-chloralose麻酔)の2群に分け、動静脈路を確保後、左開胸にて心臓を露出し左冠状動脈前下行枝(LAD)を剥離した。局所心筋収縮観察のため、LAD灌流領域の心筋に一対の超音波クリスタルを刺入、カテ先トランスデューサーを左心室内に挿入し、左室内圧を測定、LVdp/dTmaxを算出、上行大動脈に電磁血流計を装着し心拍出量を計測した。再灌流開通5、10、15、30、60分後に循環動態・局所心筋収縮の測定を行った。さらに、研究2として雑種成犬24頭を用い、再灌流60分後の心筋代謝を調べた。心筋に直接損傷を加える超音波クリスタル刺入・左心室内カテ挿入は行わず、それ以外は研究1と同様の標本作成を行った。再灌流60分後にLADおよび左冠状動脈回旋枝支配領域の心筋を切り出し圧挫凍結後、内膜側の心筋を分離しATP,ADP,AMP,乳酸、ピルビン酸を測定した。
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Research Products
(1 results)