1993 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺の生理的・病理的変化における性ステロイドの役割
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05771180
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
尾松 操 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50224308)
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Keywords | 前立腺 / アンドロゲンレセプター / 免疫組織化学 / in situ hybridization |
Research Abstract |
ヒトおよびラット前立腺におけるアンドロゲンレセプター(AR)の発現につき免疫組織化学(IHC)、In situ hybridization(ISH)法により検討した。ヒト前立腺肥大症ではfibromuscular type,glandular typeともにIHCでは腺上皮細胞の核が染色され、ISHでは腺上皮細胞の細胞質がほぼ一様に染色され、間質細胞も散在性に染色された。ヒト前立腺癌では針生検標本が多く不明瞭な部分もあるが組織学的異型度が高まるにつれARの発現は低下する傾向にあった。ラット前立腺ではcoagulating gland,ventral prostate,dorsal prostate,lateral prostateという4腺葉間におけるARの発現の差異を(1)成熟ラット(2)castration後のラット(3)castration後にdehydroteststerone(DHT)を投与したラット(4)胎生期のラット(5)老齢ラットにおいて比較検討した。(1)ではventral>dorsal,lateral>coagulating glandの順でintensityに差が見られた。(2)ventral prostate,dorsal prostateではcastration後2日以内にARの発現が著明に低下するのに対しlateral prostateでは7日目でもARの発現は見られた。(3)castration後に14日目に100mug/100g Body WeightのDHTを腹壁にinplantationし、inplantation後24時間、48時間、72時間でARの発現を検討した。ventral prostate,dorsal prostateでは24時間後には腺葉の末梢側でARの発現を認めたが、coagulating gland,lateral prostateでは72時間以内にARの発現を認めた。(4)胎生期のラットでは胎生16日目に前立腺の原基である尿生殖洞にARの発現を認めた。(5)老齢ラットにおいては20カ月を過ぎる頃より前立腺の萎縮(特にventral prostate)が著しく、ARの発現も漸減的に減少していった。これらはtestosteroneの血中濃度と相関していたがlateral prostateは他の3葉に比べ、アンドロゲン依存性が低いと考えられた。
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Research Products
(1 results)