1993 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞分取法を用いた膀胱癌細胞増殖動態に基づく抗癌剤の殺細胞効果増強の検討
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05771206
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮川 治美 慶應義塾大学, 医学部・泌尿器科, 助手 (40239356)
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Keywords | 生細胞分取法 / 膀胱癌 / 細胞増殖動態 / 抗癌剤 / 殺細胞効果 |
Research Abstract |
Hoechst 33342によりヒト膀胱癌培養細胞KU-7の生細胞DNA染色により選別したDNA diploid細胞群とnon-diploid細胞群に対し各種抗癌化学療法剤を投与し,その殺細胞効果を検討すると,cell cycle non-specific agent(CCNS)であるcisplatinum,doxorubicinの殺細胞効果は上記選別細胞間に差を認めなかった。一方,cel cycle specific(CCS)agentであるmethotraxate(MTX),vinblastine(VLB)においてはnon-diploid細胞群においてより高い殺細胞効果が得られた。これら抗癌化学療法剤の細胞増殖動態に与える影響をフローサイトメトリーによるbromodeoxyuridine(BrdU)/DNA二重解析により検討すると,10mcg/ml濃度以下のmethotraxateの接触においてBrdU標識率の著しい増加が認められた。そこでMTXとVLBの投与スケジュールに伴う殺細胞効果につき検討すると,MTX前投与24時間後VBLを投与した群における殺細胞効果はMTX,VBLの同時投与あるいはVBL前投与後MTX投与に比し有為に高い殺細胞効果効果が得られた。以上の結果より膀胱癌細胞の増殖動態に基づく抗癌剤投与スケジュールの決定が有効な治療効果を導く有効な方法となり得ることが判明した。
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