1993 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸部微小浸潤癌における細胞レベルでの形質転換の有無についての検討
Project/Area Number |
05771237
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤村 正樹 富山医科薬科大学, 付属病院, 助手 (80242501)
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Keywords | 子宮頸癌 / 微小浸潤 / 遺伝子修飾 / P53 / HPV |
Research Abstract |
子宮頸癌の発癌過程における遺伝子修飾の有無、そしてあるとすればその程度を検討すべく、現在市販されている各種一次抗体を用い、免疫組織化学的検討を行っている。当科外来において治療を行った、間質浸潤を疑う子宮頸部上皮内癌16例、子宮頸部微小浸潤癌21例、子宮頸部浸潤癌IB期20例の症例を抽出し実験群とした。使用した一次抗体は、抗p53遺伝子産物抗体、抗Human papillomavirus抗原抗体、抗タイプIVコラーゲン抗体、抗c-erbB-2遺伝子産物抗体、抗bcl-2遺伝子産物抗体そして抗BM1/JIMRO抗体である。各種抗体の至適濃度、至適反応時間の設定の後、予備的な実験として間質浸潤を疑う子宮頸部上皮内癌2例について各種抗体を用いた免疫特殊染色の手法を用いた検討を行った。検討した2例においては、いずれの抗体もその浸潤を疑う部位に抗原性を検出しえず、浸潤を疑う部位と近傍の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)との間にも染色性の違いを認めなかった。このことからこれらの症例では、p53遺伝子産物の発現、HPV抗原の存在は推定されず、浸潤を疑う部位と近傍の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)との間に明らかな差は認められなかった。また、0その他の細胞増殖能関連抗体、タイプIVコラーゲンの発現にも差は認められなかった。しかしながらこの検討は少数例を用い手の検討に過ぎず、今後上皮内腫瘍(CIN)、微小浸潤癌そして浸潤癌においての多数例を用いての検討を予定している。今後の検討によって微小浸潤部位における遺伝子修飾の有無、言い換えればクローンの同一性についての検討が可能であると考える。
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