1993 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜の脱落膜化過程において発現する組織特異的転写因子のcDNAクローニング
Project/Area Number |
05771243
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
箕浦 博之 三重大学, 医学部, 助手 (70242964)
|
Keywords | 子宮内膜 / 着床 / 組織特異的転写因子 / ヒト |
Research Abstract |
子宮内膜間質細胞は黄体後期及び妊娠初期に、極めて活動的な分泌細胞である脱落膜細胞に分化する。細胞分化には数多くの遺伝子の発現が関与するが、ホメオボックスドメインを持つ組織特異的転写因子がその鍵となることが、様々な細胞分化モデルで報告されている。子宮内膜間質細胞の脱落膜細胞への分化過程の鍵となるホメオボックス遺伝子をクローニングを目的とし下記に示す一連の研究を行った。 1 ホメオボックス遺伝子群のサブクラスの一つであるPOUドメイン遺伝子群を標的とした。POUドメイン遺伝子群に極めてよく保存された3領域より混合プライマーを作成しreverse transcription-Polymerase chain method(以下RT-PCR)によりヒト妊娠初期脱落膜において発現するPOUドメイン遺伝子群のcDNAを増幅しpCRIIプラスミドベクターに組み込みdideoxy-termination mehtodにより塩基配列を決定した。得られた配列はPOUドメイン遺伝子群Class Vに属するヒトOct-3の遺伝子配列と一致した。他の配列は得られなかった。ヒトOct-3遺伝子はあalternative splicingによりOct-3AとOct-3Bの2種の遺伝子産物が存在することが知られている。脱落膜においてはOct-3Bの発現が有意であった。 2 ヒト子宮内膜の脱落膜化過程におけるOct-3B mRNAレベルの推移をin vivoおよびin vitroにおいて検討した。Oct-3B遺伝子の発現レベルは脱落膜化の早期に50〜100倍に増加した。Oct-3B遺伝子が脱落膜かに関与する可能性が示唆された。
|