1993 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖因子(TGF-beta,プロラクチン,PTH)の腫瘍細胞増殖調節機序に関する研究
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05771255
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安井 敏之 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40230205)
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Keywords | HeLa細胞 / PTH / PTHrp / MTTassay |
Research Abstract |
本年度はPTH(Parathyroid hormone)およびPTHrp(PTHrelated protein)に注目し、HeLa細胞を用いて以下の項目について検討を行った。 1HeLa細胞に対するPTHの増殖効果について 最近はPTHの中でも、特にそのC端側の作用が注目されている。そこで従来からのPTH(1-34)と、C端側の作用の認められるPTH(1-84)の2種類のPTHについて検討した。HeLa細胞を無血清培地にて培養し、PTH(1-34)とPTH(1-84)を、それぞれ10^<-9>,10^<-8>,10^<-7>Mの濃度で添加し、その増殖効果をMTTassayを用いて、検討した。その結果PTH(1-34)においては、それぞれ平均101.2,101.3,107.7%(Mediuonのみを添加した場合を100%とする)、またPTH(1-84)においては、それぞれ平均95.1,101.4,105%であり、濃度依存性にみると、増殖促進効果は、ほとんど認められなかった。 2.HeLa細胞培養液中のPTHおよびPTHrpの濃度について HeLa細胞を無血清培地にて培養し、経時的にその培養上清中のPTHおよびPTHrpの濃度を測定した。その結果、培養1,24,48,96時間後のintactPTHの濃度はそれぞれ平均で、31,32.3,29.7,29.5(pg/ml)と、ほとんど変化は認められなかったが、PTHrpの濃度はそれぞれ平均で、19.5,39.2,59.0,131(pg/ml)と、経時的に増加する傾向を示した。 以上のことにより、HeLa細胞の増殖にはPTHrpが関連している可能性があり、また、培養上清中に認められることにより自己増殖因子としての可能性の示唆された。また、卵巣癌由来細胞株についても同様の検討を行っており、現在測定中である。
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