1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05771301
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三浦 巧 千葉大学, 医学部・付属病院, 助手 (70239185)
|
Keywords | 誘発発声 / 求心性発射 / 喉頭知覚受容器 / 基本周波数 |
Research Abstract |
ネコの橋発声中枢にタングステン電極を刺入し微小電気刺激することによって、随時、麻酔下のネコを発声させることができる。その後、上喉頭神経内枝を切断、その末梢端より発声中のネコ喉頭知覚受容器からの求心性発射を記録した。その結果、発声中において喉頭知覚受容器からの求心性発射の著しい増加を観察した。さらに上喉頭神経内枝末梢端を分割して単一求心性発射を求め、その発射頻度とネコの鳴き声の基本周波数との相関を検討した。その結果、一回の発声に際しネコの鳴き声の基本周波数と一致して発射頻度が増減するグループ、発声中に発射頻度が増加するが鳴き声の基本周波数とは一致しないグループ、発声中に逆に発射頻度が低下してしまうグループ、発声開始時のみ発射するグループの少なくとも4種類の喉頭知覚受容器からの求心性発射が観察された。 発声中に実際にどの様な求心性発射が中枢に送られているか今まで報告されていなかった。。また喉頭の知覚受容器が発声の際の声帯振動をどの程度感知しているかも不明であった。発声中の声帯は音声の基本周波数で振動することが知られており、今回得られた知見では喉頭知覚受容器が発声中の声帯振動を極めて忠実に感知して中枢に情報を送っていることが明らかとなり、この点で価値あるものと思われた。 今後は発声中の基本周波数以外のパラメーター、例えば声門下圧、気流速度なども記録したうえで基本周波数との相関がみとめられないクループが何を感知しているのかを明らかにしていきたい。
|