1993 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジン(PG)類の新生血管内皮細胞に与える形態学的変化
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05771391
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
福尾 吉史 富山医科薬科大学, 付属病院, 助手 (00228876)
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Keywords | 角膜新生血管 / プロスタグランディンE_2 / 内皮細胞 / 発芽 / タクロリムス |
Research Abstract |
私は、白色家兎の角膜に半円の濾紙を置き、1NのNaOHを5mulマイクロピペットにて濾紙に浸すことにより、従来と異なる恒常性のある新生血管のモデルの作成に成功した。このモデルでは、12時方向にのみ新生血管の発育が認められ、定量的解析も可能となる成果を収めた。このモデルにPGE_2を作用させ新生血管の進展と消退にどのような影響を与えるかを調べた。しかし、生体においても空気中においてもPGE_2は安定性がなく、今回の実験系においては、新生血管の進展、消退に全く影響を与えなかった。そこで、IL-2の抑制剤であるタクロリムスを結膜下注射した。0.1mg/Kgのタクロリムスは約50〜60%の新生血管の進展を抑制した。(デキサメサゾンでは約80%の抑制率を示した。)このことから、新生血管の進展にはIL-2が関与することが間接的に証明された。また、タクロリムスの投与時期を、血管内皮細胞の発芽以前からの投与と発芽以後からの投与に分けたところ、タクロリムスは血管内皮細胞の発芽以降の時期に作用して新生血管の進展を抑制することが明かとなった。このことは同時に、IL-2が新生血管の発芽以降の時期に重要な役割を果たしていることが証明されたと言える。このような研究はそのほとんどがin vitroの培養系でなされており、本研究は唯一in vivoの実験系であり、今後薬剤を選定しながら新生血管の進展、消退機序を解明してゆく予定である。また、同時に形態額的な側面でも研究を推進して行く予定である。
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