1993 Fiscal Year Annual Research Report
神経網膜組織の発生と再生に影響を及ぼす制御分子の解明
Project/Area Number |
05771397
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷原 秀信 京都大学, 保健診療所, 助手 (60217148)
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Keywords | PCR法 / 分子生物学 / 網膜色素上皮細胞 / サイトカイン / 成長因子 / ELISA法 / TGF-beta / GM-CSF |
Research Abstract |
我々はまずヒト網膜色素上皮細胞を培養し、そのRNAを抽出した。逆転写酸素を利用し、cDNAを作成した。同様のcDNAを無刺激とインターロクキン-1、血小板由来成長因子、トロンビン、PMA、TGF-beta_1などの刺激下で培養した網膜色素上皮細胞から作成した。xiC_2各標本間をGAPDHと呼ばれる解糖系酸素の遺伝子発現で補正した。これらをPCR法のテンプレートとして利用して、目的遺伝子に特異的な合成プライマーにより遺伝子増幅を行った。この方法により、サイトカクニャ成長因子の遺伝子発現の有無を網膜色素上皮細胞において検討できる。その結果、ヒト網膜色素上皮細胞はIL-1-GM-CSF,TNF-alpha,TGF-beta_1とbeta_2,IGF,PDGF,NGFなどのサイトカイン,成長因子の遺伝子を発現することを確認した。特にIL-1,GM-CSF,TNF-alphaなどの遺伝子発現はIL-1刺激で生じることが判明した。さらにELISA法による培養と清中のカイトカイン定量をおこなったところ、GM-cSFの存在をタンパクレベルでも確認できた。また一方でIL-7遺伝子発現が上記の方法で、きわめて微量ながら存在しうることが判明した。そこで同様にELISA法で培養血清中のIL-7を検討したところ、検出できる濃度では確認できなかった。 したがってこれらの結果を元にして、眼疾患の動物実験モデルやレーザー治療に対する網膜組織の反応におけるサイトカインや成長因子の役割を検討しているところである。現時点では眼科領域における重要な治療手段であるレーザー網膜光凝固法にてTGF-betaなどのサイトカイン局所産生が、活性化されるということを示唆するデータを予備実験で得られている。
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