1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05771428
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
出井 健之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90223130)
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Keywords | Thy-1陽性細胞 / ランゲルハンス細胞 / ストレス蛋白 / インターロイキン2 / gammadelta型T細胞 / 角結膜 |
Research Abstract |
マウス表皮内には、ランゲルハンス細胞とThy-1陽性樹枝状細胞の2種類の樹枝状細胞の存在が知られている。マウス角結膜においても、従来確認されていたランゲルハンス細胞のほかにThy-1陽性細胞が存在することを、われわれは確認した。 結膜上皮内のThy-1陽性細胞は、C3H/Heマウス(8-12週齢)において、40/mm^2の密度でみられ、表面抗原としては、CD3CD8が陽性であったが、CD4CD5は陰性であった。また、gammadelta型T細胞受容体を表出していた。この細胞の分布をみると、角膜輪部付近に密度が高い傾向を認めたが、ランゲルハンス細胞よりは、結膜全体にほぼ一様に分布していた。 表面抗原をみると、腸管粘膜や生殖器粘膜の上皮内リンパ球と同様にCD4_-、CD8_+であり、表皮内にみられるThy-1陽性樹枝状細胞がCD4_-、CD8_-(double negative)であるのとは異なっていた。これは、同じ上皮内リンパ球でありながら、皮膚型と粘膜型の少なくとも2種類があることを示しており、興味深い事実であった。 また、マウス結膜下に隔日にインターロイン2を投与したところ、結膜上皮内のThy-1陽性細胞の数は、dose-dependent、time-dependentに増加した。この挙動は、表皮内のThy-1陽性樹枝状細胞と同様であり、角結膜においても、外界にさらされている上皮内に存在するリンパ球が、生体防御に何らかの役割をはたしていることが推測された。
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