1993 Fiscal Year Annual Research Report
実験的自己免疫性ぶどう膜炎におけるラパマイシン、FK506の効果
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05771458
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
池田 英子 久留米大学, 医学部, 助手 (70222875)
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Keywords | EAU / ラパマイシン / FK506 |
Research Abstract |
目的;FK506とラパマイシン(RAPA)は同じImmunophilin Ligandに属するが、FK506とRAPAのTリンパ球活性化過程における作用点は互いに異なり、RAPAはFK506よりTリンパ球活性化過程のより遅いステージに作用する。 この作用機序の違いを利用して、実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)に対するこれら薬物の併用効果について検討した。 方法;Lewisラットを網膜可溶性抗原(S抗原)20mugで免疫し、免疫後0〜14日間FK506(0.1、0.3mg/kg/day)、RAPA(0.03、0.1、1.0mg/kg/day)あるいは、低用量の併用(FK506 0.1+RAPA 0.03mg/kg/day、FK506 0.1+RAPA 0.1mg/kg/day)を腹腔内に投与し、EAUの発症について臨床所見、および病理学的に検討した。 結果;EAU発症率を臨床所見でみると、FK506(0.1)単独投与では60.0%、RAPA(0.03、0.1)単独投与では、それぞれ85.0%、8.3%であった。FK506(0.1)+RAPA(0.03)およびFK506(0.1)+RAPA(0.1)ではEAUは発症していなかった。病理学的に検討すると、FK506(0.1)単独投与では90.0%、RAPA(0.03、0.1)単独投与では、それぞれ77.7%、33.3%であった。FK506(0.1)+RAPA(0.03)では、30.0%、FK506(0.1)+RAPA(0.1)では12.5%でFK506とRAPAの低用量併用療法は、EAU発症に有効であると考えられた。
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