1994 Fiscal Year Annual Research Report
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の培養骨芽細胞内情報伝達系に及ぼす影響
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05771510
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川瀬 知之 新潟大学, 歯学部, 助教授 (90191999)
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Keywords | カルシトニン遺伝子関連ペプチド / 骨芽細胞 / カリウムチャンネル / カルシウムチャンネル |
Research Abstract |
ラット骨肉腫由来の骨芽細胞様細胞株(UMR106)を用いて、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の細胞内情報伝達系に及ぼす影響について、細胞膜を介するカルシウムイオン輸送に焦点をあてて検討した。CGRPは濃度依存性に基礎レベルの45Ca^2取り込みを阻害した。一方、カルシトニンは有意な効果を示さなかった。このCGRP作用は、ATP依存性カリウムチャンネル(Katpチャンネル)阻害剤であるglybenclamideによって阻害されたが、カルシウム賦活性カリウムチャンネル(Kcaチャンネル)の阻害剤であるtetraethylammoniumは無効であった。また、high K溶液で細胞膜を脱分極させた場合、基礎レベルの45Ca取り込みを増加するが、CGRPの効果は消失した。さらに、電位依存性カルシウムチャンネル(VDCC)の阻害剤であるdiltiazemによる前処置は、基礎レベルの45Ca取り込みを減少させると同時にCGRPの効果を著しく減少させた。 以上の結果より、CGRPは、特異的受容体を介してKatpチャンネルを活性化(開口)させ、細胞膜の過分極を引き起こす。これは、VDCCを不活性化(閉口)させ、細胞外からのCa取り込みを減少させる、という一連の反応経路(機構)が示唆される。
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