1994 Fiscal Year Annual Research Report
HLA遺伝子と歯周疾患関連細菌成分に対する抗体産生能とその関連性について
Project/Area Number |
05771585
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
新田 浩 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70237767)
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Keywords | 歯周疾患 / HLA / イムノブロット / DNAタイピング |
Research Abstract |
歯周疾患の感受性における遺伝的要因を追求するため,歯周疾患関連細菌に対する免疫応答性の遺伝的調節を検索した。まず,ヒト免疫応答性の遺伝的視標の一つであるHLAの血清学的タイピングを早期発症型歯周炎患者33名について行った。その結果,クラスI抗原HLA-A,B,C抗原のどれも対照群(一般日本人集団)にくらべ,出現頻度に統計学的有意差は認められなかった。クラスII抗原については,患者群のHLA-DQ1の出現頻度が有意に増加しており,DR2も増加する傾向があった。DR抗原についてはより詳細なDNAタイピングを行うための有効なプライマーを決定した。 次に歯周疾患関連細菌7菌種の全菌体に対する血清抗体価を測定し,HLAとの相関を検討した。その結果,どの細菌の抗体価も,特定のHLAとの相関は認められなかった。しかし,初診時にPorphyromonas gingivalisに対する血清中抗体価が上昇している患者が8名認められ,そのうち,7名がDR4とDQ1の両方のタイプを持っていた。さらに質的な免疫応答性をみるため,イムノブロック分析をおこなった。P.gingivalisをSDS-PAGEにより分子量により分画し,その分画された画分に対する血清抗体の反応性とHLAとの相関を検討した。その結果,44,57kDaのP.gingivalisの抗原と反応する抗体を持つ患者が多かったが,特定の画分に対する免疫応答性とHLAとの相関は認められなかった。 現在,DR抗原についてはDNAタイピングにより,より細かなタイピングが可能となっており,これまで,数名の患者のDNAタイピングが終了している。今後,DQ抗原のDNAタイピングについても行い,より詳細な分析を行なう予定である。
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