1993 Fiscal Year Annual Research Report
アパタイト析出による歯根面知覚過敏症の治療法に関する研究
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05771600
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大木元 玲子 徳島大学, 歯学部, 助手 (20200850)
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Keywords | 歯根面知覚過敏症 / 象牙細管 / アパタイト / リン酸カルシウム / pH / 溶解度 / 走査型電子顕微鏡 / X線微小分析 |
Research Abstract |
歯根面知覚過敏症の治療法については、種々の方法が臨床的に試みられているが、決定的に有効な方法は確立されていない。本研究では、開口象牙細管をアパタイトで封鎖する方法の開発を試みた。すなわち、アパタイトなどのリン酸カルシウム類は酸性溶液に対する溶解度は高いが、中性および塩基性領域の水溶液にはほとんど溶解しない性質を利用して、アパタイトを析出させる方法を考案した。アパタイト析出溶液としてリン酸カルシウムを含有した酸溶液(IM CaHPO_4・2H_2O、2M H_3PO_4)と、pHを上げるための後処理液として1N-NaOHを用いた。知覚過敏を想定して酸処理にて象牙細管を開口させた象牙質プレートにリン酸カルシウム処理液を綿球にて3分間塗布し、乾燥した後、後処理液を3分間塗布した。このプレートを走査型電子顕微鏡により観察した結果、象牙細管は処理表面では完全に封鎖されており、割断面では象牙質プレート表面より約10ミクロンの深さまで結晶性物質により封鎖されることが分かった。象牙細管内に析出した結晶性物質をX線微小分析により調べた結果、管間象牙質ではCa/P比は1.4であったのに対して結晶性物質では1.0と有為に低い値であった。この析出物の粉末を粉末X線回折により分析した結果、析出した結晶はリン酸カルシウム二水和物(CaHPO_4・2H_2O)であることが分かった。リン酸カルシウム二水和物は口腔内で唾液成分中のカルシウムを取り込むことによりアパタイトに相変化することから、本処理法により開口した象牙細管をアパタイトで表層のみならず深部にまで封鎖できる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)