1993 Fiscal Year Annual Research Report
接合上皮再生過程における再生上皮細胞の接合上皮細胞への分化に関与する誘導因子の追求-サイトケラチンとレクチンを用いた免疫組織学的検索-
Project/Area Number |
05771604
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿部 嘉裕 長崎大学, 歯学部, 助手 (70202687)
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Keywords | 接合上皮 / サイトケラチン / レクチン / 細胞膜糖鎖 / 細胞分化 |
Research Abstract |
本研究では接合上皮の特徴を表すマーカーを用い、ラット接合上皮切除後の再生上皮での発現を経時的に免疫組織学的に検索することで、再生上皮細胞から接合上皮細胞への細胞学的特徴の変化に関連している因子について追求した。まず細胞内部の特徴変化について、上皮細胞の骨格を構成しているサイトケラチンフィラメント(CK)のなかでも正常歯肉溝上皮や口腔歯肉上皮細胞には発現せず接合上皮細胞に発現が確認されたCK19について再生上皮での発現を観察すると、再生上皮としての組織構築を示す以前の再生上皮の一部が歯根面と接触した段階で観察された。つまり細胞骨格のCK19に関しては、その発現には再生上皮の歯根面との接触が関連していることが示唆された。つぎに細胞膜表面の特徴変化について、細胞膜糖鎖の発現の変化を4種類の糖鎖特異性レクチン(PNA、DBA、GSI、UEAI)反応を観察すると、PNAとDBAは再生上皮が歯根面に達するまでは先端の細胞の反応は陰性であり口腔歯肉上皮の基底細胞層での反応と同じであったが、多層化した状態になると再生上皮に陽性反応が認められた。一方GSIの反応は再生過程を通して陽性、UEAIは陰性であり口腔歯肉上皮の基底細胞と同じ反応を示した。つまり膜糖鎖に関しては、再生上皮は口腔歯肉上皮の基底細胞と同じ膜糖鎖の発現を示し、さらに接合上皮細胞としての特徴を表すには歯根面に沿って多層化することが関連していると考えられた。以上の光顕的観察から、根面との接触や多層化との関連性が示唆され、他の要因に関しては検討中である。
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Research Products
(1 results)