1993 Fiscal Year Annual Research Report
歯槽骨由来細胞と歯根膜由来細胞の相互作用に関する研究
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05771625
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 邦治 日本大学, 歯学部, 講師 (80196807)
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Keywords | 歯槽骨由来細胞 / 歯根膜由来細胞 / 細胞増殖 / アルカリホスファターゼ活性 / 相互作用 |
Research Abstract |
(目的)歯周組織再生誘導法(GTR法)で示される歯根膜細胞の根面に沿った誘導と新生セメント質の形成に歯槽骨由来細胞の関与が考えられる。そこで細胞培養系を用いて両細胞間の相互作用について検討することを目的とする。 (方法)ヒト歯槽骨および歯根膜由来細胞を培養し、両細胞ともアルカリホスファターゼ(ALPase)活性が経時的に変化することから酵素活性のピーク前後(培養7日目および20日目)に培養上清を回収した。HABCの7日目に回収した上清を「AB-1」、20日目に回収した上清を「AB-2」とした。同様にPDLCも「P-1」、「P-2」とした。HABCに「P-1」あるいは「P-2」を、PDLCに「AB-1」あるいは「AB-2」を用いて培養し、それぞれの細胞のコントロール群と培養14日目の細胞増殖とALPase活性について比較検討した。 (結果)HABCの細胞数は、コントロール、「P-1」および「P-2」間で違いは認められなかった。一方、PDLCの細胞数は、「AB-2」を用いたものがコントロールと比較して約2倍の増加が認められた。ALPase活性は、HABCは「P-2」を、PDLCは「AB-2」を用いた場合コントロールに比較して約2倍高い活性値を示した。以上のことからPDLCは、ALPase活性のピーク後、すなわち「stable stage」のHABCの影響を受けることによって活性化されることが示唆された。今後両細胞の相互作用の経時的変化について検討する予定である。(1994年3月10日 72th International Assosiation for Dental Reseach at Seattleでポスター発表)
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