1993 Fiscal Year Annual Research Report
義歯に直接振動センサを貼付する咬合診断装置の確立とその臨床応用
Project/Area Number |
05771692
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
薦田 淳司 徳島大学, 歯学部, 助手 (40221981)
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Keywords | 咬合診断 / 振動センサ / 咬合振動波形 / 早期接触 / 全部床義歯装着者 |
Research Abstract |
我々は,顔面皮膚上で咬合音をとらえる機構をもつ市販の咬合診断装置では困難とされてきた全部床義歯装着者における咬合診断を可能にする目的で,義歯に直接振動センサを貼付して咬合時の義歯振動波形を測定し分析するシステムを開発し,また,咬合器上でのシュミレーション実験を行い好結果を得た.本システムは,上顎全部床義歯の前歯部,左右大臼歯部の唇頬側研磨面の3カ所に,それぞれ小型振動センサを直接設置し,咬合時のセンサからの出力をチャージアンプで増幅し,デジタルメモリとデジタルストレージスコープに記録し,このデータをコンピュータに取り込み処理を行う.分析は,各咬合条件下での振動波形の全体的様相を観察し,ついで,早期接触部位の推定に有効なパラメータ(空間的距離)を利用し,早期接触部位の判定を行う. 今回,このシステムを全部床義歯装着者2名の口腔内で実際に応用したところ,市販の咬合診断装置と比較しても立ち上がりの鋭い咬合振動波形を得ることができ,また,シュミレーション実験と同様にS/N比の高い咬合振動波形を得ることができ,本システムの有効性が確認された.早期接触部位の判定に関してはも,現在パラメータの有効性は認められているものの,咬合器上でのシュミレーション実験に比べ,全部床義歯装着者では義歯の動揺が大きいこと,振動センサの設置される環境条件の多様性,誘導線の揺れなどの問題を考慮しながら,今後被験者数を増やし本装置の確立を計っていく予定である.
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